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NTT西日本、理研等、環境再生型農業に向けデジタルデータ技術を基に共同研究開始 ~果樹の土壌微生物叢に着手~ (2022.3)

 西日本電信電話㈱、理化学研究所、福島大学、北海道大学、東京大学大学院農学生命科学研究科、㈱前川総合研究所、大阪府立環境農林水産総合研究所、筑波大学の8組織は、                                             1.農業の自然循環機能の増進                                                           2.環境負荷の低減                                                                     3.生物多様性の保全                                                                 これらに配慮したネイチャーポジティブな環境再生型農業の普及拡大をめざし、果樹の農業生態系の各層のデジタルデータ化やデータ解析に関する共同研究を行うと発表した。研究対象は温州ミカンとし、日本全国の有機栽培、特別栽培、慣行栽培の農場から土壌と作物の両方を収集し科学的に分析し数値化する。また、栽培過程で排出される温室効果ガスの定量化も検討するという。

 現在の農業システムは、化学肥料・化学農薬を利用するケースが多く、土壌劣化・水質汚染・温室効果ガス発生など、地球規模での環境汚染を招いており、生物多様性に着目したネイチャーポジティブな環境再生型農業に切り替えていく事が世界的にも期待されている。
 しかし、化学肥料や化学農薬の利用を控えた環境再生型農業は、除草を含む労力がかかること、栽培技術が未確立であり再現性が低いこと(収量や品質が不安定)などの問題があり、従来の慣行栽培から切り替えが進んでいないのが実情だ。
 本共同研究では、自然本来の力を最大限に引き出すために、土壌中の微生物機能に着目して解析を進める。土壌微生物は、その重要性は十分認識されていたが、解析方法が難しくどのような微生物が存在するか判然としていなかった。本研究では近年開発された解析法を用いることで、各農場内の微生物を評価し、農業生態系の各層(土壌及び微生物叢、作物)を科学的に解析し、数値化されたデジタルデータを元に各階層間の相互作用の解明を進める。熟練農家の匠の技を見える化し、誰もが自然環境に配慮した農業に従事できる世界を目指す。

(農業生態系のデジタル化イメージ)

詳しくは→https://www.ntt-west.co.jp/news/2202/220221a.html

2022-03-28 | Posted in トピックス |