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欧州委員会、再生可能水素の開発促進に向け欧州内15プロジェクトに約10億ユーロの資金提供（2025.5）

　2025年5月20日、欧州委員会は、欧州経済領域（EEA）全域における15件の再生可能水素製造プロジェクトを公的資金の対象として選定したことを発表した。5カ国にまたがるこれらのプロジェクトは、10年間で約220万トンの再生可能水素を生産し、1,500万トン以上のCO2排出を削減すると見込まれている。水素は、運輸、化学産業、メタノールおよびアンモニア製造などの分野で生産される。これらのプロジェクトには、 EU排出量取引制度（ETS）を財源とするイノベーション基金から、総額9億9,200万ユーロのEU資金が提供される。

　第2回欧州水素バンク（EHB）オークションで落札した企業は、補助金を受けて欧州で再生可能水素を生産することになる。この補助金は、生産コストと市場価格の価格差を埋め、よりクリーンな燃料の導入を加速させる。

　欧州水素バンクの入札は、再生可能水素の規模拡大に貢献し、脱炭素化が困難な産業や輸送部門における天然ガス、石炭、石油の代替に貢献する。再生可能水素の生産量増加は、欧州大陸における化石燃料の使用量を削減し、EUのエネルギー自給率を高め、安全保障、雇用、そして欧州産業の脱炭素化にプラスの影響を与えるであろう。

　選定されたプロジェクトのうち12件は、1キログラムあたり0.20ユーロから0.60ユーロの固定プレミアム支援を受けて再生可能水素を生産することに取り組んでいる。今回の入札では初めて、海事部門にオフテイカーを持つ水素生産者（プロジェクトで生産された水素を燃料補給活動の実施または利用に利用する事業体）向けに専用予算が設けられた。その結果、3件の入札が選定され、9,670万ユーロの助成金が交付された。これらのプロジェクトには、1キログラムあたり0.45ユーロから1.88ユーロの助成金が必要である。15件のプロジェクトに対する各助成金は、最長10年間で800万ユーロから2億4,600万ユーロの範囲となっている。

詳しくは、→https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_25_1264