ニュース情報/政策関連

経産省、第1回「燃料電池商用車の導入促進に関する重点地域」を選定、発表(2025.5)

 経済産業省は、水素モビリティの導入を促進するため、水素社会推進法における基本方針に基づき、トラック等の燃料電池商用車の需要が相当程度見込まれ、地方公共団体の意欲的な活動が見られる地域を「重点地域」と定め、先行需要を創出するとともに、周辺需要の喚起を図っていくこととしている。今般、「重点地域」の第1回目の募集を行い、6つの地方公共団体を中核とする5つの重点地域を選定した。

1.重点地域の概要
 運輸部門の脱炭素化に向けては、多様な選択肢が存在する中、水素を燃料とした燃料電池自動車には、充てん時間が短く、航続距離が長いという強みがあり、2030年に向けては、大型トラック、小型トラック及びバスといった燃料電池商用車での活用が期待されている。一方で、燃料電池商用車の導入については、需給両面で予見することが難しい課題が存在することから、業界横断的な議論により、課題解決を進めていく必要がある。

 このような観点から、今までの官民での議論を踏まえつつ、運輸部門における水素利活用拡大に向け、官民一体となり、先行的な燃料電池商用車の需要創出及び周辺需要の喚起を図っていく地域を、「燃料電池商用車の導入促進に関する重点地域」とし、第1回の重点地域の募集を行い、選定した。

2.国の追加的支援
 燃料電池自動車向けの水素価格については、国や地方公共団体が水素ステーション事業者に対して、その経費の一部を補助することで価格を低減してきているが、特に燃料費そのものについては、ディーゼルに比べて水素の調達コストが高く、現在は、その差額を民間事業者が負担している状況。

 そのため、今後、重点地域の中核となる地方公共団体内の水素ステーションにおいては、その経費のうち、国がディーゼルと水素の燃料費の差額に対して約700円/kg(差額の約3/4程度に相当)を追加的に支援するなど、固定費・変動費への支援を拡充し、さらに地方公共団体の独自の支援も合わせて措置することを促すことで、民間事業者の負担を大幅に軽減していく考えだ。

3.重点地域の選定結果
 第1回重点地域の募集において、以下の6つの地方公共団体を中核とする5つの重点地域を選定した。

東北重点地域(中核地方公共団体:福島県)
関東重点地域(中核地方公共団体:東京都及び神奈川県)
中部重点地域(中核地方公共団体:愛知県)
近畿重点地域(中核地方公共団体:兵庫県)
九州重点地域(中核地方公共団体:福岡県)

詳しくは、→https://www.meti.go.jp/press/2025/05/20250519004/20250519004.html

 

2025-05-20 | Posted in ニュース情報/政策関連 |