トピックス,エネルギー編
Hitachi Energy、中国能源工程集団(CEEC)のグリーン水素PJに水素発電ソリューション提供(2025.5)
スイス・チューリッヒに本社を置くHitachi Energyは、中国東北部松原市に中国能源工程集団(CEEC)(北京市)が建設した水素産業パークに、電解水素用整流変圧器を納入したと発表した。この変圧器ソリューションは、再生可能エネルギーからの水素製造に必要な安定した電力供給を確保し、持続可能なエネルギーの未来に貢献する。
中国は世界最大の水素生産国であり、水素を国家エネルギー戦略の中核に位置付けている。産業界における化石燃料の水素への代替を推進し、水素を用いたグリーンアンモニアやメタノールの生産を推進している。中国は2024年後半、産業界におけるクリーン水素の利用を加速させる計画を発表し、炭素排出量の削減と産業界のレベルアップに向けた明確な手順を示した。
CEECが開発する水素エネルギープロジェクトは、中国が進める世界最大規模のグリーン水素・アンモニア・メタノール統合プロジェクトの一つである。このプロジェクトでは、風力と太陽光発電を活用し、水電解によって水素を製造する3ギガワット(GW)規模の新エネルギー施設を段階的に建設する予定だ。その後、グリーン水素からアンモニアとメタノールを合成することで、クリーン電力から水素、アンモニア、メタノールに至るまでのバリューチェーン全体の統合開発を実現する。
水素製造のための水電解において、整流変圧器は安定した電力供給と生産効率の向上を実現する重要な機器である。Hitachi Energyの変圧器は、コンパクトな構造、低損失、高い安定性を特徴としている。優れた高調波耐性と耐電流衝撃性を備え、安全で信頼性が高く、コスト効率の高い水素製造を実現する。
なお、このプロジェクトは、中国国家発展改革委員会による低炭素技術実証プロジェクトの第一弾であり、吉林省の「水素動力吉林」構想の重点プロジェクトでもある。年間80万トンのグリーン合成アンモニアとメタノールを生産する予定。