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環境省 バイオマスプラ開発などに2019年 50億円予算要求 No.1
環境省は2019年度予算の概算要求に「脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」として約50億円を盛り込むことをこの8月発表した。
そして、8月下旬一部全国紙新聞紙上に「生分解プラ開発 国支援」とトップ記事に大きく報道され、いよいよ日本でも生分解性プラの普及に向けた本格的支援が始まったかと、その展望や課題について環境省リサイクル推進室にお聞きした。「この事業の中には、石油資源由来の素材をバイオマスプラスチック、紙などへの代替を図る事業を含みますが、基本的なスタンスはCO2排出削減と資源循環です。バイオマスプラスチックの中には生分解の性質をもつものを含むため、最近ニュースとなっている海洋を汚染するマイクロプラスチック問題と絡め強調されてしまったのですね。生分解性プラスチックそのものについては、まだ予算付けされていないのですが・・・」と笑いながら語る。大手新聞社の記者でも取り違えるほど、プラスチックの世界の技術、表記は複雑で、正確な理解はむずかしいようだ。ましてや一般の方にとっての理解は、見た目はほとんど変わらないものが多いため、ほとんどわからないといえるのかもしれない。
元来、プラスチックの3R、紙などへの代替は、資源・廃棄物制約、ゴミ対策、温暖化対策等の観点から国際的課題である。また、これまで年間約150万トンの廃プラスチックが資源として海外に輸出され、その多くが中国に輸出されていたものが、平成29年12月末に中国が非工業由来の廃プラスチックの禁輸を発表。今年12月末からは工業由来についても禁輸措置を拡大する予定となり、この結果廃プラスチックの国内滞留が大きな問題となっており、緊急の課題だ。
上記実証事業の基本的なスキームは下記図がイメージである。
プラスチック等のリサイクルプロセスの省CO2化実証とリサイクルが困難なプラスチック等の代替素材の生産・リサイクル省CO2システムの構築が大きな柱である。使い捨てプラスチック等の削減、バイオマスプラスチック普及によるCO2の削減が見込まれる。