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パナソニックと三菱ガス化学、CO2から製造したメタノール原料の環境配慮型のユリア樹脂を開発。(2025.4)
三菱ガス化学㈱は、パナソニック㈱エレクトリックワークス社と共同で、コンセントなどの配線器具をターゲットに、CO2から製造したメタノールを原料とする環境配慮型ユリア樹脂を開発したと発表した。
ユリア樹脂は尿素とホルムアルデヒドの反応によって得られる熱硬化性樹脂で、耐トラッキング性や耐アーク性に優れることから、電気安全性が求められるコンセントなどの配線器具に多く使われる。一度硬化すると加熱しても溶融せずマテリアルリサイクルができないという課題がある中で、三菱ガス化学とパナソニック社が共同で、ユリア樹脂の原料であるメタノールをCO2から製造することによりユリア樹脂をカーボンリサイクルする新しい製造スキームを確立した。
三菱ガス化学がCO2から製造したメタノールを原料に、同社グループのMGCウッドケム㈱でホルムアルデヒドを製造しパナソニックグループへ供給する。パナソニックグループはホルムアルデヒドを原料にユリア樹脂及び配線器具を製造し、2025年度以降には環境配慮型ユリア樹脂を使用した配線器具の販売を目指す。
今般、共同で開発した環境配慮型ユリア樹脂は、成形条件・物性とも従来のユリア樹脂と同一で、製造設備の変更なく従来と同じ品質の配線器具の製造および接続が可能である。原料がCO2由来のメタノールに置き換わるだけで、従来のユリア樹脂と比べて約20~30%のCO2排出量削減に貢献し、住宅やビル等の建築物のエンボディードカーボンの削減にもつながる。
詳しくは、→https://www.mgc.co.jp/corporate/news/2025/250410.html