トピックス,マテリアル他編

三菱ケミカルG、超臨界水用いた油化技術有する豪・Licella社に出資。油化リサイクル事業拡大と原料多様化へ(2025.7)

 三菱ケミカルグループはコーポレートベンチャーキャピタル子会社のDiamond Edge Ventures, Inc.(米国カリフォルニア州)を通じて、使用済みプラスチックやバイオマスの革新的な油化技術を有する豪州Licella Holdings Ltd(Licella社)に出資したと発表した。この出資は、Licella社が独自開発した「Cat-HTR」プロセスのグローバル展開と商業化を加速させるものである。

カナダ・プリンスジョージにあるLicella社のCat-HTRプロセス商業規模プラント

 Licella社のCat-HTRプロセスは、高温高圧の超臨界水の中で使用済みプラスチックやバイオマスを油化し、精製して化学品原料やSAF(Sustainable Aviation Fuel)などを製造する革新的な技術。三菱ケミカル㈱はENEOS㈱と共同してプラスチック油化ケミカルリサイクル事業に取り組んでおり、先般、三菱ケミカル茨城事業所(茨城県神栖市)にケミカルリサイクル設備を新設した。同設備に採用した英国Mura Technology社の「Hydro-PRT 」技術はLicella社のCat-HTRを基に構築されている。

 Licella社のCat-HTRプロセスはプラスチックのみならず、木質残渣などのバイオマスも油化できることが特長。三菱ケミカルが2025年3月27日に発表した「国内森林資源を活用したSAF等の製造事業の商用化へ向けた検討」においても、Licella社の技術を用いて木質残渣からバイオナフサ、SAF、バイオディーゼルなどの製品を製造することを想定している。

 三菱ケミカルグループは、今回の出資によりLicella社との連携を深め、使用済みプラスチックやバイオマスを原料に用いた油化技術の社会実装とリサイクル事業の拡大をめざしていく考えだ。

詳しくは、→https://www.mcgc.com/news_release/02386.html

2025-07-26 | Posted in トピックス, マテリアル他編 |