トピックス,マテリアル他編

ハイケム、高耐熱ポリ乳酸「ステレオコンプレックスPLA(SC-PLA)」の製造基礎技術を確立。量産化へ加速(2025.12)

 2025年12月26日、ハイケム㈱は、高い耐熱性と耐久性を有するポリ乳酸(PLA)「ステレオコンプレックスPLA(SC-PLA)」に関する、製造基礎技術の確立にハイケムの研究所にて成功したと発表した。

 ハイケムは、2022年に素材研究支所を開設し、生分解性材料やバイオ素材の基礎研究を進めてきた。また、独自ブランドによるPLA繊維を発表するなど、生分解性材料の社会実装にも積極的に取り組んでいる。このたび、帝人㈱から譲受した「ステレオコンプレックスPLA(SC-PLA)」の知的財産権に基づく技術の再現に成功したことを受け、量産化に向けたさまざまな可能性を検討し、社会実装に向けた取り組みを加速していく考えだ。

●ステレオコンプレックスPLA(SC-PLA)について
 ポリ乳酸(PLA)とは、100%植物由来のバイオプラスチックであり、一定の環境下で水と二酸化炭素に分解される生分解性を有するため、環境汚染の低減が期待できる。一方で、化学構造が単純なため、強度や耐熱性が低いことが課題となっている。

 「ステレオコンプレックスPLA(SC-PLA)」は、高純度のL乳酸とD乳酸を原料としたステレオコンプレックス型の特殊な結晶構造を持つPLAです。通常のPLAと比較して、高い耐熱性と耐久性を有するのが特徴で、通常のPLAの融点が約170℃であるのに対し、210℃以上の融点を持ち、より広範囲での使用や高温での加工が可能である。また、加水分解性などを結晶構造や分子量によって制御できるため、耐久性の向上も期待できる。すなわち、SC-PLAは、植物由来のバイオプラスチックでありながら、一般的な汎用プラスチックに近い物性を実現する素材といえる。

詳しくは、→https://highchem.co.jp/topics/051226/

2025-12-29 | Posted in トピックス, マテリアル他編 |