トピックス,エネルギー編

ENEOSとTOPPANホールディングスが進める 古紙バイオエタノール実証事業、日本製紙富士工場で実施へ（2025.7）

　ENEOS㈱とTOPPANホールディングス㈱の両社が進める古紙バイオエタノール実証事業について、日本製紙㈱の富士工場内において、パイロットプラントの建設に向けた工事に着手すると発表した。

　バイオエタノールは、カーボンニュートラルの実現に向けて、自動車燃料や化学品用の原料など様々な用途での利用が期待されている。また、近年ではバイオエタノールを原料にSAF（持続可能な航空燃料）を製造することも注目されている。

　ENEOS と TOPPANホールディングスは、エネルギーの脱炭素化と循環型社会の実現に向け、2021年より、難再生古紙などを原料とした国産バイオエタノール事業の立ち上げについて共同で検討協議を続け、2024年3月より事業化に向けた実証事業を実施してきた。今般、更に本実証を推進するため、パイロットプラントの建設に向けた工事に着手することになった。

　本実証では、TOPPANホールディングスが開発した、防水加工された紙やノーカーボン紙等の難再生古紙から不要部分を取り除き繊維分が豊富な原料にする前処理プロセスと、ENEOS が開発しているエタノールの連続生産技術を組み合わせて、スケールアップ検討を行う。日本製紙は、富士工場の一部敷地の提供およびパイロットプラントの一部（糖化発酵プロセス）の運転を担当する。パイロットプラントの規模は古紙の投入量として約 1～3t/日、バイオエタノールの生産量としては約 300L/日を予定している。2027年前半に稼働を開始し、この本実証を通じて得られる知見を活かし、2030年度以降の本事業の商用化を目指していく。 なお、本実証は国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）「バイオものづくり革命推進事業」として2024年7月22日に採択を受けている。

パイロットプラントイメージ図

詳しくは、→https://www.eneos.co.jp/newsrelease/upload_pdf/20250724_01_01_mr03.pdf