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三菱化工機、NEDO・ちとせGがマレーシアで進める世界最大規模の微細藻類生産施設の抽出設備一式受注(2025.7)
三菱化工機㈱は、バイオエコノミーを推進する企業群ちとせグループが、マレーシア サラワク州に建設した世界最大規模(効率的な藻類の生産とその大規模化をかなえるフラットパネル型藻類生産設備)である5ヘクタールの微細藻類生産施設「CHITOSE Carbon Capture Central」(C4) において、微細藻類成分抽出・分離試験用設備一式(小型ろ過乾燥機を含む)の建設を受注したと発表した。
このC4は、ちとせグループの中核企業であるちとせ研究所が、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託事業として建設している。
同社では1970年代から海外プラント建設を行っており、今回建設を行うマレーシアにおいても施工実績が数多くあることから、地での法規対応を始めとした海外EPCノウハウを有している。さらに、1990年代にはクロレラ製造設備の建設を東南アジアで行うなど藻類の培養に関連したプラント建設についてのノウハウも有している。
また、同社は2008年頃からの藻類バイオ燃料に関わる収穫および抽出技術の問い合わせを機に、2013年度から各種の藻類バイオ燃料に関する研究プロジェクトに参画し、2020年には川崎製作所内にガラス管式閉鎖系フォトバイオリアクター(PBR)を設置して、微細藻類培養の実証試験を開始した。このPBRは飛来物対策や免震構造を取り入れた構造で、都市部のビルや工場でも微細藻類を培養できる都市型バイオマス生産装置として製品化し、グループ会社の三菱化工機アドバンス株式会社が販売している。また、微細藻類の培養に加えて、成分抽出技術についても開発、実証試験を進めている。
「MATSURI」プロジェクトと当社の参画について
ちとせグループは、太陽光をエネルギー源とする藻類産業の構築をはじめ、バイオを基点とする社会の実現に向けた産業横断型の連携プロジェクト「MATSURI(まつり)」を主宰している。今後の微細藻類生産の大規模化においては、今回のC4での実証を重ね、2030年に2,000ヘクタール規模、2050年には1,000万ヘクタールへの拡大が計画されている。
2022年5月、当社はちとせグループとパートナー契約を締結し、「MATSURI」プロジェクトに参画した。さらに2023年には、ちとせグループへの出資も行い、微細藻類を活用した持続可能な循環型社会の実現に向けた微細藻類の活用を共同で推進している。こうした協業を通じて、当社が有するろ過分離技術や海外プラント建設のノウハウ、そして藻類に関する知見が評価され、C4に新設される設備の施工担当業者として選定となった。

NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の施設
詳しくは、→https://www.kakoki.co.jp/news/2025/07/16-C4-facility.html