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バイオマス展から 地域内エコシステム推進の中 竹やエリアンサスなど地域課題解決型の燃料化システム動き出す (2020.3.12)

 バイオマス展(スマートエネルギーWeek内)は2020年2月26日~28日、東京ビッグサイトで開催された。石炭代替燃料、混焼用として利用が活発化してきているバイオマス燃料であるが、2019年2月、EUが決定した再生可能エネルギー指令(RED2)は、パーム油の原料となるアブラヤシ栽培は過度の森林破壊をもたらすとし、輸送用燃料への使用を2030年までに段階的に禁止すると発表した。最大生産国インドネシアは、不当だとしてWTOに提訴しているが、バイオマス燃料のあり方についての考え方が変化する中、日本国内でも経済産業省内で、FIT制度バイオマス発電のあり方、見直しを議論中だ。RSPO認証に加え、RSB(Roundtable on Sustainable Biomaterials)認証を加える方向で議論が進む中、昨年のバイオマス展ではPKSなどの輸入会社の出展が多かったが、そういった状況の中、出展会社の顔ぶれも変化してきた。

 また、新型コロナウィルス(COVID-19)の対策として、会期中、手指消毒液を全入口ゲートに設置、全入口ゲートでサーモグラフィーによる体温測定を実施、マスク着用の義務化、発熱や体調不良など風邪のような症状のある方は、来場を控えるよう促された。

 バイオマス展の基調講演ではバイオマス・ニッポン総合戦略検討チーム企画官であった、農林水産省林野庁 長野利用課長より、日本の木材産業の動向、木質バイオマスのエネルギー利用の最新情報や具体的事例の報告、FIT制度の見直しの方向性を見据え、地域の森林資源の熱利用を含めて循環利用し、地域の活力につなげていく展望が紹介された。

 特に今後の木質バイオマスの利用推進に当たっては、地域の森林資源を再びエネルギー供給源として見直し、地域の活性化につながる低コストのエネルギー利用をどのように進めていくかということが大きな課題。経済産業省と共同で、2017年度から森林資源をマテリアルやエネルギーとして地域内で持続的に活用するための担い手確保から、発電・熱利用に至るまでの「地域内エコシステム」のモデル構築に向けた取組を実施し、その成果や課題を検証していることも発表された。

 

テス・エンジニアリング(株)(大阪市淀川区)、(株)巴商会(東京都千代田区)、(株)エム・アイ・エス(福岡市西区) 

 3社は共同開発した竹チップ混焼バイオマスボイラー「E-NEシリーズ」を展示した。竹チップと木質チップを混焼でき、燃焼困難な燃料に対応可能な回転式ガス化旋回燃焼方式のバーナーを採用した国産のバイオマスボイラー(無圧式温水発生機)。特にエネルギーとしての有効利用が困難とされてきた、竹については、クリンカーの生成を抑制し、安定燃焼を可能にした。ボイラー効率は、竹チップ・木質チップ同率混焼で83%、木質チップ専焼で85%という。
 竹林の荒廃、竹害は各地での長年の問題。また燃料としての竹は、内部が空洞でエネルギー密度が低く、伐採収集システムが未確立という現状もあり、各自治体はその有効利用策を模索している。さらに燃焼すると、竹中の灰分が溶け、クリンカーという溶岩状のものの生成による燃焼阻害や竹の腐食成分により燃焼炉を傷めることから、エネルギー利用が難しい原料とされていた。「竹は放置しておくと、すぐに腐敗が始まり、時間をおかずに破砕、乾燥が必要です。カリウムを多量に含んでいて、灰の軟化温度がボイラー内燃焼温度より低く、大型のボイラーで燃焼させるとクリンカーを生成していましたが、バーナーの回転や高度な燃焼技術や自動排出機能によって竹の安定燃焼を可能にしました」(エム・アイ・エス 事業担当)

 

興栄(株)(大分市)

 エネルギーの地産地消という考え方をベースに、水力と竹のエネルギーを活用したEV試作モデルを展示した。(Bambusはプロジェクト名)平成24年に設立された大分県エネルギー産業企業会の分野別ワーキングGで同社含めた参画7社との共同製作。大分県は県内全域の20%を竹林が占めており、竹害も畑や森林に進み、その多くが未利用状態という。竹を燃焼させるバイオマス発電と街中に流れる水路を活用した小型水力発電を組み合わせた再生可能エネルギーによる発電設備、EVの設置を竹田市や大分市で目指す。リチウム電池は小型で持ち運びができるため、災害時は防災拠点での活用ができる。農業従事者にとって遠方に給油に行く必要もなくなり、GPS機能も搭載し見守り機能や観光用としての活用も視野に入れる。
「奥地山間部のメインの移動手段である軽トラックを取り巻く環境は年々厳しくなっています。人口減のため、ガソリンスタンドの閉店が増加しており、給油の為にガソリンを使い、ガソリンスタンドがある地区まで行かなければなりません。EVは安価な鉛電池仕様とリチウム電池仕様でリースなどでの展開。各自治体の農業支援、山間部支援の中で、発電装置も含めた運用導入ができないか考えています。価格低減はまずは大きな課題ですが、地域のコミュニティー構築にも役立てたいと思っています」(事業担当)

 

奈良製作所(東京都大田区)

 粗粉砕から微粉砕まで、大量処理が可能な多機能型粉砕機rubatoを展示した。原料の特性に応じて4種のローターより選定が可能。またバイオマス原料の大量処理からセラミック材料の微粉砕まで対応が可能だ。同社は、粉体処理の開発に先駆的に取り組み、国産初の高速回転衝撃式粉砕機を開発した歴史をもつ。
 また、ブース内では同社がタカノ(株)(栃木県さくら市)とビジネス化を進める資源作物エリアンサスが展示された。同作物は、農研機構、国際農林水産業研究センターが共同育成し、機械収穫に適し、雑草化しにくいエリアンサス「JES1」を開発。同品種をタカノが市内の耕作放棄地において栽培、ペレット燃料に加工、市営の温泉施設で地域自給燃料としている。草本系バイオマスは木質系に比べ、ペレット造粒が難しいと言われるが、技術支援等を得て同等品質を実現、耕作放棄地の減少対策として期待される。
 エリアンサスは稲科に属する草本の一種で熱帯・亜熱帯地域に自生し、4~5mの高さまで大きくなる。多年生のため、越冬できる気象条件であれば長期的な周年栽培が可能。同種は食糧生産と競合せず、収量が高く、低コストで栽培できる。東北南部の低標高地から九州までの非積雪地で栽培が可能という。
「多様なバイオマスの中から何を選び、最終的にどのような形態にするかは、お客様のニーズによって決まってきます。幅広く対応できるような機械を提案していきたいと考えています」(マーケティング戦略部)

エリアンサスとそのペレットや粉砕したもの

 

 出展はしていなかったが、バンブーエナジー(株)(熊本県南関町)は、NEDOとの共同プロジェクトとして、2019年秋、国内初の竹によるバイオマス燃焼炉とORC(オーガニック・ランキン・サイクル)熱電併給設備を備えたバイオマスプラントを完成させ、実証運転を開始した。

https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101181.html

このような動きも軸に、竹燃料化システムが動き出してきたといえそうだ。また、耕作放棄地を活用するエリアンサスなど、地域課題解決型のバイオマス燃料システムに注目だ。

 

2020-03-12 | Posted in G&Bレポート, ニュース |