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住友商事グループ、ブルーエコノミー事業推進~岩手県洋野町で過去最大Jブルークレジット認証取得~(2022.12)
住友商事グループは、CO2吸収・固定・利活用による気候変動緩和の取り組みの一環として、新たなCO2吸収源として注目の集まるブルーカーボン事業に着手した。
住友商事、住友商事東北、住友商事グループ会社のInsight Edgeおよびナイルワークスは、岩手県洋野町における増殖溝を活用した藻場の創出・保全活動によるJブルークレジットの認証申請を支援してきたが、今般、ジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)により、3,106.5tCO2の認証が行われた。このクレジット量は、Jブルークレジット制度が令和2年度に試行されて以来、最大量となる。
今後、住友商事および住友商事東北は、顧客や関係会社への紹介などを通じ、洋野町によるクレジット販売活動を支援していく。また、洋野町および町内3漁協(種市漁協、洋野町漁協、小子内浜漁協)は、クレジット販売によって得られた資金を更なる気候変動対策に活用すべく、2022年10月、「洋野町ブルーカーボン増殖協議会」を設立、住友商事および住友商事東北は、これに賛助会員として参画した。
岩手県の東北端に位置する洋野町では、約50年前から、海岸線約20キロメートルに沿って断続的に続く岩盤に溝、いわゆる増殖溝を堀り、ウニやアワビ漁に利用してきた。増殖溝の総距離は17.5キロメートル、幅は約4メートル、深さは約1メートルにわたり、干潮時でも波力により新鮮な海水が流れ込む構造にすることで、ワカメや昆布などの大型の海藻が乾燥に耐え、生育しやすい環境を創り出している。この増殖溝によって、洋野町では身入りが多く、高品質なキタムラサキウニが豊富に採れるようになった。また、増殖溝やその周辺で育った海藻類は、潮の干満により流れ藻として海に流出し、CO2を海底に固定することに貢献してきた。洋野町では、気候変動対策として、ワカメや昆布のCO2固定能力の高さに着目し、増殖溝を活用した藻場の創出・保全活動が行われている。
住友商事、住友商事東北、Insight Edgeおよびナイルワークスは、増殖溝の藻場におけるCO2固定能力に着目し、藻場面積の計測やブルーカーボン量の算定、JBEとの連絡調整を通じ、洋野町によるクレジットの認証取得を支援してきた。特に藻場の空撮については、農業用ドローンで高い技術力を誇るナイルワークスが、画像解析については、最先端のデータ分析技術を有するInsight Edgeが担当し、認証審査における高い確実性評価を得ることができた。今後は、協議会への参画を通じて洋野町における気候変動対策の促進に貢献するとともに、これらクレジット申請・認証を通じて得られた技術的知見を国内外のブルーエコノミー事業に活用することで、カーボンニュートラル化に向けた気候変動緩和の取り組みに寄与していく考えだ。
詳しくは、→https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/news/topics/2022/group/20221130 関係情報→https://greenproduction.co.jp/archives/5192