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大林組、日本製紙等と木質バイオマス・リグニン添加のコンクリートを開発 (2022.5)

 ㈱大林組(東京都港区)は、コンクリートに木質バイオマスを添加することで、コンクリート構造物に長期間CO2を固定できる「リグニンクリート」を開発したと発表した。樹木は成長過程で光合成によりCO2を吸収するため、木材の建築物等への利用は吸収されたCO2を固定することになる。
 

リグニンクリート断面

 同社は、木質バイオマスをセメントミルクで固めた「チップクリート®」を用いたのり面緑化の実用化(施工実績21件、延施工面積4万4,000m²)や、主要構造部(柱・梁・床・壁)のすべてを木造とした日本初の高層純木造耐火建築物の建設など、木材利用の実績を積み重ねてきた。今般、木材利用をさらに促進させるため、日本製紙㈱(東京都千代田区)、㈱フローリック(東京都豊島区)と共同で、紙原料のパルプの製造工程で発生するリグニンを粉体状にして添加するコンクリートを開発した。

紛体状リグニン

 同製品は、リグニンをコンクリート材料として使用することで、樹木が吸収したCO2をコンクリート構造物に長期間固定する。一般的に、コンクリートの製造時には約270kg/m³のCO2を排出する。一方で、リグニンは1kg当たり約2.4kgのCO2を吸収しているため、1m³のコンクリートに100kgのリグニンを添加することで、約240kg/m³のCO2を構築物のライフサイクルを通して、長期間安定してコンクリート中に固定できるという。また、解体し骨材に再利用する場合にも、CO2は固定された状態を維持する。加えて、砂の一部をリグニンに置き換えるため、コンクリート材料として使用する天然資源である砂の使用量を削減できる。また、通常のコンクリートと同様の圧縮強度と材料性状を有するため、幅広い構造物への適用が可能という。

詳しくは、→https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20220510_2.html

 

2022-05-21 | Posted in トピックス |