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バイオマス産業社会ネットワーク研究会「バイオマス白書2022」 発行、2021年のバイオマス利用動向や課題を解説   (2022.5)

 NPO法人バイオマス産業社会ネットワークは、2021年のバイオマス利用の動向についてまとめた、バイオマス白書2022を発行した。トピックスとして、「2021年における主なバイオマス政策の変更等」、「バイオマスはカーボンニュートラルか?」「バイオマスの産業用熱利用」を取りあげた他、国際的動向、国内の動向やレポートなどの情報源について解説している。

 「ビッグ・バッド・バイオマス(BBB)と持続可能なバイオマス利用」と題した「はじめに」では、次のように主旨をまとめている。

 注目されるバイオマスだが、これは使えば使うほどよいとは限らないことが明らかになっている。2021年10月、世界各地で「ビッグ・バイオマスに関する国際行動デー:#BigBadBiomass」として、COP26に向けたアクションが行なわれた。「大規模(Big)な、悪い(Bad)、バイオマス」とは、FIT等の助成制度による、森林を伐採した木質ペレット等を輸入して使う、大規模なバイオマス発電である。これらは石炭火力以上のCO2を排出し、生物多様性や地域社会に負の影響をもたらし、気候変動対策に逆行する。

 日本でもこうした問題への関心が高まり、経済産業省の持続可能性ワーキンググループでバイオマス発電のGHG基準が議論され、導入されることが決まったことは前進である。しかし、今回出された目標ではパリ協定の目標を満たすことはできず、森林劣化の扱いがまだ明確でなく、何より既認定案件に対しては努力義務に留まっていることを考えると、まだまだ課題は多い。

 国内の間伐材チップを使う場合も、発電のみではGHG排出量が多く、熱電併給や熱利用にシフトすべきことが示唆された。熱利用を行う場合も、バイオマスが再エネでほぼ唯一、実用化された技術で高温を供給できることを考えれば、今後は産業用熱利用からの熱のカスケード利用へと振り向けていくことが重要ではないか。

 日本では、2021年に非効率石炭火力のフェードアウトについて検討が行われたが、非効率石炭火力にバイオマス混焼を行うことで延命を認めるという方針である。輸入木質ペレット等の石炭混焼が、むしろ気候変動対策に逆行することを考えれば、早急な方向転換が必要である。

詳しくは→http://www.npobin.net/hakusho/2022/

2022-05-10 | Posted in トピックス |