研究情報
静大発S-Bridges等異業種7社の連携PJ「植物を100%活用するBMT(Bio Material Transformation)事業」発進(2025.4)
国立大学法人静岡大学発ベンチャー企業のS-Bridges㈱は、植物を100%活用するBMT(Bio Material Transformation)事業を異業種7社と協力して 取り組みを開始する。サーキュラーエコノミーを実現するエコシステムを構築し、タンパク質危機等の社会問題の解決を実現する。取り組みを開始する企業は、㈱アイシン、アサヒ飲料㈱、デンカ㈱、カゴメ㈱、オルガノフードテック㈱、帝人フロンティア㈱、S-Bridges㈱の7社。
BMTとは、植物素材(Botanical)から、全成分を抽出して分離し、全てを利活用すること。(S-Bridgesの商標) 背景 世界の人口爆発により、2050年にはタンパク質危機が訪れるとされている。また国連ではSDGsのなかで、2030年までに食品廃棄物を半減させる目標を採択している。しかしながら、多くの企業が研究を行うものの有効なソリューションを見出せず、一部の製品のアップサイクルに留まっている。完全なサーキュラーエコノミーの実現には生産~物流~販売等、新たなバリューチェーンを構築する必要があり、複数のソリューションが必要があった。
●7社による企業連携(BMTチーム)の目的
S-Bridgesは植物の未活用成分の全抽出を行う技術を開発した。そのはじめとして、茶葉の植物の成分を100%活用するためのオープンイノベーションを行った。そこで有用性を見出した企業が集まり、異業種の企業でのBMTチームが結成された。 このBMTチームは植物を扱う飲料・食品企業、抽出のための分離技術を持つ企業、取り出した成分の活用を行う繊維、化学、食品素材、輸送機器企業で構成している。それぞれの強みを生かすことで新たなバリューチェーンが構築でき、サーキュラーエコノミーの実現が可能となる。
●全抽出技術
植物の成分の全抽出に最適化した独自の技術(酵素と湿式粉砕)を用いて、葉内部の細胞壁を柔らかくし、粉砕・分離を行うことで、植物の成分抽出を飛躍的に高め、全抽出を可能にしている。この技術によって、細胞質内に存在するタンパク質等を抽出し、活用することが可能となった。 飲料に使用される茶葉の例では、従来は茶葉が持つ成分の20%程度しか利用されておらず、成分を全抽出することで、100%の活用を目指すことが可能となる。 また、この技術は茶葉に限らず、様々な植物に転用が可能である。
詳しくは、→https://www.s-bridges.com/news/100bio_material_transformationbmt.html