研究情報
東北大研究G、強力な温室効果ガスN2Oを高速除去できるバイオプロセスを開発(2025.5)
東北大学の研究グループは、スポンジ担体を吊るしたDown-flow Hanging Sponge(DHS)リアクターを用いた微生物反応によるN2O除去プロセスを開発した。
N2Oは二酸化炭素(CO2)の273倍の地球温暖化係数を持つ強力な温室効果ガスで、温暖化効果への寄与率は6%程度と見積もられている。また、21世紀最大のオゾン層破壊物質としても知られる環境負荷の高い物質である。人為起源のN2O排出量のうち廃水・廃棄物由来が全体の5%程度を占め、その中には廃水処理プロセスからの排出が含まれる。廃水処理プロセスからのN2Oの排出量削減に関する研究の多くは発生抑制に着眼点がおかれている。一方で、発生したN2Oの除去に関する研究は多くない状況である。
本プロセスは廃水処理プロセスのなかでも特に窒素処理における無酸素槽から発生するN2Oを標的としており、実験では無酸素環境で5-300 ppmの濃度域では3分程度、2,000 ppmと高濃度の場合でも18分で94%以上のN2O除去を達成した。
詳しくは、→https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2025/05/press20250501-01-n2o.html
2025-05-03 | Posted in 研究情報 |