研究情報

カゴメとキユーピー、未利用野菜資源のバイオ炭化で共同研究開始。持続可な農業と環境負荷低減へ(2025.5)

 カゴメ㈱とキユーピー㈱は、未利用野菜資源をバイオ炭※1化する取り組みについて共同研究を開始すると発表した。本研究は、野菜に関わる事業に注力する両社が協力して、野菜の栽培・加工に関するサステナビリティ課題を解決することを目指し、持続可能な農業の実現に貢献する取り組みだ。 バイオ炭とは、植物性バイオマスを酸素が少ない状態で加熱し炭化させたもの。土壌改良や炭素貯留に効果があるとされ、通常の堆肥と比べ分解されにくく、長期間土壌中に留まることができる特徴がある。

 地球温暖化対策や持続可能な農業の実現が急務となる中、農林水産省が策定した「みどりの食料システム戦略」において、バイオ炭の農地施用は地球温暖化対策として推進されている。バイオ炭には土壌改良効果があり、さらには土壌への炭素貯留効果もあることが分かっている。

 一方で、野菜生産における収穫残さや野菜加工品生産における加工残さなどの未利用資源の有効活用が課題となっている。両社は、自然のめぐみを大切にしながら事業を展開してきた企業として、この課題に取り組むことで、持続可能な社会の実現に貢献したいと考えている。

●共同研究の目的

1)バイオ炭化するための技術確立                                                              野菜という水分含有量が高い資源を効果的にバイオ炭化する技術を開発します。効率的な脱水方法や炭化技術の確立を目指す。

2).バイオ炭を施用した際の栽培特性の評価                                                      野菜由来のバイオ炭の農業利用における有効性を検証し、土壌改良効果や作物の生育促進効果を明らかにする。

3)カーボンネガティブな事業モデルの確立                                                                           バイオ炭の生産・利用を通じて、CO2の固定化と排出削減を図り、J-クレジット制度を活用して、継続的にカーボンネガティブな事業モデルの確立を目指す。

■今後の展開    以下のステップで研究を進める予定。

・バイオ炭化するための技術確立(炭化条件確認、脱水条件確認)
・バイオ炭を施用した際の栽培特性の評価
・バイオ炭サンプル製造
・バイオ炭テスト施用                                                                         

これらの取り組みを通じて、未利用野菜資源の有効活用だけでなく、農地の土壌改良効果の向上やCO2削減を目指す。

詳しくは、→https://www.kewpie.com/newsrelease/items/2025/items/pdf/2025/newsrelease_20250501.pdf

2025-05-04 | Posted in 研究情報 |