トピックス,エネルギー編
米・Air Productsとノルウェー・Yara、低排出アンモニアPJの提携交渉進展(2025.12)
世界有数の水素供給業者であり、世界的な産業ガス企業である米国のAir Productsと、世界有数の農作物栄養およびアンモニア企業であるノルウェーのYara International ASAは、Air Productsの産業ガス能力と低排出水素をYaraのアンモニア生産・流通ネットワークと組み合わせることに取り組んでいる。
米国ルイジアナ・クリーンエネルギー・コンプレックスにおいて、Air Productsは、ルイジアナ州に世界最大の低炭素エネルギー・コンプレックスを開発している。このコンプレックスは、1日あたり7億5,000万標準立方フィートを超える低炭素水素を生産し、通常運転時に発生するCO2の95%を回収するように設計されている。
Air Productsがプロジェクト開発業者であり、アンモニアプラントが合意された性能レベルを達成した後、Yaraはアンモニアの生産、貯蔵、出荷設備を総プロジェクト費用(推定80~90億ドル)の約25%で取得する。Yaraは関連業務の責任を負い、生産されたアンモニア全量を自社のグローバルな流通ネットワークに統合する。
Air Productsは産業ガス生産施設を所有・運営し、生産される低炭素水素の約80%は、25年間の長期オフテイク契約に基づきYaraに供給され、年間280万トンの低炭素アンモニアを生産する。残りの水素は、Air Productsの700マイル(約1120キロメートル)の水素パイプラインシステムを通じて、米国メキシコ湾岸の顧客に供給される。エア・プロダクツの施設で回収される年間約500万トンの高純度CO2は、後日発表される長期契約に基づき、第三者によって隔離される。
両社による最終投資決定は2026年半ばを目標としており、プロジェクト完了は2030年を見込んでいる。
サウジアラビアのNEOMグリーン水素プロジェクトは90%以上が完了しており、2027年に商業生産を開始する予定である。Air Productsは、再生可能アンモニアを年間最大120万トン購入する唯一の供給業者である。
Air ProductsとYaraは、Air Productsが欧州で販売していないアンモニアを、Yaraが委託販売し、再生可能水素として商業化するマーケティング・流通契約を締結する予定である。このモデルは両社の価値を最大化するものであり、世界初の大規模再生可能アンモニアプラントから生産されるアンモニアを、Yaraの比類なき輸送船隊によって世界中に輸送することを可能にする。このマーケティング・流通契約は、2026年上半期に締結される予定である。
