トピックス,エネルギー編
オーストリア・OMVが同国最大のグリーン水素製造プラントを公開。同日UAE・マスダールとグリーン水素・eSAF生産で提携(2025.4)
オーストリアの総合化学品、燃料、エネルギー会社のOMVは4月30日、ウィーン近郊のシュヴェヒャート製油所に10メガワットのグリーン水素製造プラントを開設したと発表した。同プラントはオーストリア最大規模となる。この施設には約2,500万ユーロが投資され、年間最大1,500トンのグリーン水素を製造できる。このグリーン水素は、持続可能な航空燃料(SAF)や再生可能ディーゼル(HVO)など、より持続可能な燃料や化学品の製造に使用される。OMVの新しい10メガワットのポリマー電解質膜(PEM)電解装置は、風力、水力、太陽光から発電された再生可能電力で完全に稼働している。この革新により、年間最大15,000トンのCO2排出量を削減でき、これは2,000人の年間CO2消費量に相当する。
OMV 燃料・原料・化学品担当取締役 のMartijn van Koten氏:「オーストリア最大の電解プラントの稼働開始により、私たちは日常生活に欠かせない製品を持続可能な方法で生産する方法を根本から変革しようとしている。グリーン水素はこの変革の中核を成し、燃料と化学品の生産において重要な役割を果たすとともに、シュヴェヒャート拠点の脱炭素化を推進している。欧州におけるグリーン水素の強固な現地生産・サプライチェーンを構築することで、OMVは気候変動対策の推進だけでなく、産業の発展も支えている。この取り組みから得られる専門知識は、先駆的なプロジェクトへの飛躍台となり、よりクリーンでレジリエントな未来への基盤を築くことになるであろう」と述べた。
OMVは同日、アブダビ未来エネルギー会社–UAEのクリーンエネルギーリーダーであるマスダールと、グリーン水素、合成持続可能航空燃料(eSAF)、およびその他の持続可能製品の生産で提携する契約を締結したと発表した。