研究情報

京大等研究G、植物の草丈を150%増大させる新しいブラシノステロイド因子を発見(2025.1)

 京都大学、理化学研究所、東京大学の共同研究グループは、植物成長の特に草丈を野生型の約150%に増大させる新規因子BIL7を、BR生合成阻害剤Brzを用いたケミカルバイオロジー研究によって発見したと発表した。

 ブラシノステロイド(BR)は、植物の葉・茎・根の器官伸長など、植物形態形成を促進的に調節する植物ステロイドホルモン。BRは受容体やその下流の転写因子は知られていたが、BRによる植物成長の制御機構においては未だ知られていない因子の存在が予測され、その分子実態が探されていた。

 BIL7は、通常は細胞膜に局在しながら、BRシグナル伝達の活性化により核に移行し、その際にBRシグナル伝達のマスター転写因子BIL1/BZR1 と結合して、その核移行およびタンパク質の安定化を促進化する機能を持ち、そのダイナミックな分子機能によって植物草丈を大きく増大させる能力を持つ新規な因子であることが明らかとなった。 

 本研究によるBIL7の発見は、植物成長促進における分子機構の解明、その機能を活用した植物バイオマスや穀物生産が増大化した新植物の創製を目指す新技術開発などに繋がると期待される。本研究成果は、2024年12月20日に、国際学術誌「The Plant Journal」にオンライン掲載された。

詳しくは、→https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2025-01-22-0

 

2025-01-25 | Posted in 研究情報 |