研究情報
安藤ハザマ・港空研等4者、微生物を高度利用したバイオスマートコンクリートを開発中。(2025.1)
㈱安藤・間(安藤ハザマ)は、静岡理工科大学、愛媛大学および港湾空港技術研究所と共同で、微生物を高度利用したバイオスマートコンクリートの開発を進めている。
その一環として、pH11~12の強アルカリ条件下でも代謝活動と増殖が可能な強アルカリ耐性菌「AH株」の獲得に成功した。これにより、本共同開発の飛躍的な進展が期待される。
■共同開発の概要
安全で強靭なインフラシステムの構築のため、鉄筋コンクリート構造物の長寿命化技術が求められているが、その実現のためには、コンクリート中の鉄筋の腐食を防止することが重要となる。本共同開発では、微生物の代謝活動により、コンクリート中の溶存酸素を消費し、かつ、酸素と水の供給路となるひび割れを自己治癒することで、酸素や水を不足させ鉄筋腐食を防止するバイオスマートコンクリート「BiSCo」の開発を進めている。
■強アルカリ耐性菌「AH株」の特長
一般的な好気性微生物は、高pH環境では死滅あるいは芽胞となって休眠しており,pHが9程度より低い環境にならなければ代謝活動を行えない。そのため、強アルカリ材料であるコンクリート中での代謝活動が制限されてしまうという課題があったが、このたび獲得した強アルカリ耐性菌「AH株」は、pH11~12の強アルカリ条件下でも代謝活動と増殖が可能で、芽胞形成機能も有する。
■漏水実験
コンクリート練混ぜ時にAH株および栄養素を添加したバイオスマートコンクリートで供試体を作製し、漏水実験を行った。実験の結果、繰り返し導入したひび割れが自己治癒され、漏水が止まったことを確認した。
今後は、鉄筋腐食抑制効果ならびにひび割れ自己治癒効果の実証を進め、実用化に向けた取り組みを推進する。
詳しくは、→https://www.ad-hzm.co.jp/info/2025/20240108.php