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清水建設、東洋スタビとバイオ炭を利用し脱炭素型地盤改良工法開発。 地盤改良土にCO2固定(2023.1)
清水建設㈱は、㈱東洋スタビと共同で、混合処理工法による地盤改良工事のカーボンニュートラル対応技術として、改良対象地盤に溶融スラグとバイオ炭を混入することで、施工に起因するCO2排出量を実質ゼロにする脱炭素型地盤改良工法を開発したと発表した。高温で溶融させた焼却灰等を冷却・固化した溶融スラグを混合することで粘性土の土性を改善し、製造時に多量のCO2を排出するセメント系固化材の使用量を低減させる。併せて、固化材使用量の製造に伴うCO2排出量を、バイオ炭に吸収・固定化されたCO2量と相殺することで施工のカーボンニュートラル化を実現する。
混合処理工法による地盤改良工事のCO2排出量は、固化材として利用するセメント量の多寡に左右される。溶融スラグの混入により改良対象土の土性が改善されれば、その分、要求強度の充足に必要なセメント量を抑制できる。他方、バイオ炭は、バイオマス原料を不完全燃焼させて炭化したもので、木材から生成したバイオ炭には、木が光合成で吸収したCO2が固定されている。農業分野では、「バイオ炭の農地施用」が国のJ-クレジット制度の対象として認められ、バイオ炭によるCO2貯留量が環境価値としてクレジット化されている。本工法では、セメント系固化材によるCO2排出をバイオ炭による炭素貯留で埋め合わせ、施工時CO2排出量を実質ゼロにする。バイオ炭の使用量を増やすことで、CO2の排出削減量と固定量の合計が排出量を上回るカーボンネガティブの実現も見込むことが可能になる。
本工法の施工では、改良対象地盤の上に溶融スラグ、バイオ炭、セメント系固化材を敷き均した後、混合撹拌機で攪拌して締め固めることで、要求強度を充足する地盤を構築する。溶融スラグの混合量は改良対象土1㎥あたり550~1,750㎏で、これによりセメント系固化材の使用量を既存工法と比べて約60%削減できる。炭素貯留に利用するバイオ炭の混入量は改良対象土1㎥あたり10~30㎏。なお、溶融スラグはセメント系固化材より安価なため、約30%のコスト低減効果も見込める。
詳しくは、→https://www.shimz.co.jp/company/about/news-release/2023/2022061.html