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味の素と仏・Danone、酪農由来のGHG削減に向けたグローバルでの協業開始。味の素製牛用アミノ酸リジン製剤活用(2024.9)
味の素㈱は、フランスのDanone(ダノン)と、同社の生乳サプライチェーンから排出されるGHGを削減するためのグローバルでの戦略的パートナーシップを開始した。この取り組みは、牛用アミノ酸リジン製剤のトップブランドである味の素の「AjiPro®-L」を活用し、飼料中のアミノ酸を乳牛が効率的に吸収することで、飼料コストを大幅に削減しながら、乳牛の生育に関わる幅広いGHGの排出量削減を実現する。ダノンの「パートナー・フォー・グロース」プログラムの一環として両社で協働していく考えだ。
「AjiPro®-L」の特長
世界的な人口増に伴い、たんぱく質の需要が高まる中で、たんぱく源としての生乳・牛肉の持続可能な生産が注目されている。牛の糞尿やげっぷに含まれるメタン、一酸化二窒素など、牛の生育に関わるGHG排出量は全世界のGHG排出量の約9.5%を占めており、地球温暖化の原因の一つとして解決すべき喫緊の課題となっている。また、昨今の世界的な飼料高騰などによって酪農家の経営が圧迫される中、GHG排出量の削減を推進しつつも、飼料コストを軽減させるソリューションが必要となっている。
今回、Danoneは味の素の「AjiPro®-L」を活用したソリューションを採用し、酪農におけるGHG排出量削減を目指す。「AjiPro®-L」は、独自の製造技術により、通常では牛の小腸まで届きにくい必須アミノ酸のリジンを栄養として体内に効果的に届けることができる。本製品は、酪農家の飼料コストを削減しながら、乳牛の生育に関わる様々なGHG排出量を削減する上で重要な役割を果たす。
一般的に牛の飼料として使用される大豆粕は高たんぱくながら高価格で余分なアミノ酸を多く含みますが、「AjiPro®-L」を使用することで大豆粕などの飼料を減らしながら不足するアミノ酸を補い、飼料中のアミノ酸バランスを整えることができる。その結果、生乳の生産量を維持しながら飼料コストを削減すると同時に、大豆粕などのたんぱく源となる飼料の栽培・調達時に発生するCO2を約20%、糞尿から発生する余剰な窒素由来の一酸化二窒素(N2O)を約25%削減することが可能となる。
さらに、味の素はin-vitro(インビトロ)試験により、げっぷに含まれるメタン(CH4)を抑制するメタン削減製剤の削減効果が、「AjiPro®-L」でアミノ酸バランスを整えた飼料と組み合わせて用いることで30%程度増幅することを確認しており、「AjiPro®-L」の活用は、げっぷ中のメタン排出量削減への貢献も期待できる。
詳しくは、→https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/press/detail/2024_09_19.html