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IEA、バイオ燃料開発における優先事項を提案。高可能性市場の支援などG20エネ閣僚会合で(2023.7)
IEAは、G20エネルギー閣僚会合での特別会議で、新しい報告書「ブラジル、インド、米国のバイオ燃料政策と世界バイオ燃料同盟への洞察」において調査結果等を発表、バイオ燃料開発の優先事項を提案した。
7月22日にインドのゴアで開催されたこの会合は、インドの石油・天然ガス大臣ハーディープ・シン・プリ氏によって開会された。十数名のエネルギー大臣が参加し、アルゼンチン、バングラデシュ、ブラジル、カナダ、インド、イタリア、ケニア、モーリシャス、パラグアイ、セイシェル、アラブ首長国連邦、ウガンダ、米国から代表が参加した。この会合には9つの国際機関のトップも参加した。
この会議には、世界的なエネルギー転換を支援して持続可能なバイオ燃料の導入を加速することを目指すインドの提案する「グローバル・バイオ燃料同盟」についての議論も行われ、参加者は、GHG排出削減において持続可能なバイオ燃料が果たせる重要な役割を認識した。IEAは、世界のエネルギーシステムを2050年までに実質ゼロ排出に向けた道筋を軌道に乗せるためには、世界の持続可能なバイオ燃料の生産量を2030年までに3倍にする必要があると推定している。
液体バイオ燃料は、2022年に総輸送エネルギー供給量の4%以上を供給したが、その導入は十分ではない。さらに、世界の多くの地域で大きな可能性を持っているにもかかわらず、バイオ燃料の総生産量の80%以上がわずか数か国で発生しているという現状がある。バイオ燃料原料の入手可能性、持続可能性基準に関する合意の欠如、関連技術の商業化のペースなどの課題によって導入は制約されている。
新しいIEAの報告書は、バイオ燃料を拡大するための同盟の取り組みを推進することを目的としている。これは、長期戦略を策定し、投資を促進し、イノベーションを支援し、利用しやすい価格の供給量を確保し、持続可能性の懸念に迅速に対処し、国際協力を奨励することによって、各国が持続可能なバイオ燃料の生産と利用を拡大できることを示唆している。
この報告書では、世界的なエネルギー転換を支援する持続可能な展開を促進するための、グローバル バイオ燃料アライアンスの 3 つの優先分野について概説している。
1. 持続可能なバイオ燃料生産の可能性が高い市場を特定し、開発を支援する。
2. テクノロジー導入の加速。
3. 業績に基づく持続可能性の評価と枠組みについての合意を形成する。
●関係情報→設立50周年WWFジャパン 「バイオマス発電は本当に推進すべきか」意見発表/https://greenproduction.co.jp/archives/3427
●関連情報→持続可能なバイオ燃料の条件~パーム油バイオ燃料摩擦の行方~/https://greenproduction.co.jp/archives/794