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ダイセルの海洋生分解性の酢酸セルロース樹脂事業、広島県海洋プラ対策に採択 (2022.8)
㈱ダイセルは、広島県が公募した「令和4年度海洋プラスチック対策(プラスチック使用量削減等)・リーディングプロジェクト支援補助金」に「バイオマスかつ海洋生分解性を有する酢酸セルロース樹脂の普及促進及び、 カキ養殖用パイプへの再利用検討事業」を提案し、 採択されたと発表した。
2020年7月にレジ袋有料化、 2022年4月にプラスチック資源循環推進法が施行されるなど、 海洋プラスチックごみ問題や気候変動問題などへの対応として、 プラスチック製品使用の合理化についての必要性が高まっている。特に広島県においては、 瀬戸内海における海洋プラスチックごみ削減を目指して官民連携組織「GREEN SEA 瀬戸内ひろしま・プラットフォーム(GSHIP)」を設立し、 県民及び事業者が協働した実効的な対策に取り組んでいる。 本支援補助金は、 GSHIPと連携し、 ワンウェイ(使い捨て)プラスチックの削減、 プラスチック代替素材の利用促進、 プラスチック資源の3R(リデュース・リユース・リサイクル)およびリニューアブルの拡大・高度化等を推進する事業に交付されるもので、同社は酢酸セルロース樹脂の利用普及を通じてこの社会課題の解決に取り組むとした。
<採択事業のポイント>
1)「リサイクル性」を生かした施策:新プラ法指定12品目における酢酸セルロース樹脂の活用とそのリサイクルの確立へ
新法では、 使い捨てのスプーンやストローなど特定プラスチック製品に指定された12品目において削減対策が義務化されているが、 その内容は製品使用事業者の判断に委ねられており、 様々な検討がなされている。 代替素材の活用やリサイクルは対策のひとつではあるものの、 特にコンビニなど市中で使われるプラスチック製品はリサイクル目的での回収が困難とされている。本施策では、 施設内での回収が可能な広島県内のスタジアムやホテル、 飲食店といった場所で、 酢酸セルロース樹脂を用いたカトラリーや宿泊アメニティーを使用し、 その回収ルートの構築とリサイクルに取り組む。
2)「海洋分解性」を生かした施策:カキ養殖用パイプなどでの活用へ
瀬戸内海における海洋ごみのうち、 漁業活動に関連するものが重量比ベースで約66%(カキ養 殖用パイプは全体の約23%)を占めている。 これらは気象条件等により意図せず流出しているものですが、 カキ養殖用パイプに海洋生分解性のある酢酸セルロース樹脂を使用し、 海洋ごみの削減を目指す。
実装化スケジュールについては、上記施策1)、2)の実証検証から取り組み、 2024年度までにはそれぞれ県内全域への社会実装化に加え、 施策1)において回収した製品を、 施策2)のカキ養殖用パイプへ再利用することも目指し、 酢酸セルロース樹脂を通じた環境負荷軽減の仕組みを広範的に構築していく考えだ。
●GREEN SEA 瀬戸内ひろしま・プラットフォーム(GSHIP)
広島県が官民連携組織体として2021年6月に設立したプラットフォームで、 瀬戸内海に新たに流出する海洋プラスチックごみの量を2050年までに「ゼロ」にすることを目指している。
GSHIPの概要→https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/eco/greenseaplatform.html
詳しくは、→https://www.daicel.com/news/assets/pdf/20220829.pdf