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三井化学と帝人、プラスチックのバイオマス化(ISCC PLUS認証のマスバランス方式利用) 市場展開の取り組み開始(2022.8)
三井化学㈱と帝人㈱は、日本初となるバイオマスビスフェノールA(バイオマスBPA)とバイオマスポリカーボネート樹脂(バイオマスPC樹脂)の市場展開に向けた取り組みを開始すると発表した。この取り組みは、三井化学がISCC PLUS認証(国際持続可能性カーボン認証)に基づいたマスバランス方式を用いてバイオマスBPAの市場供給を開始することに伴い、帝人が同BPAを用いて同方式によるバイオマスPC樹脂の開発・生産を開始する。
両社は、今回の取り組みを通して、プラスチックのバイオマス化に資する製品の拡販を目指し、サプライチェーン全体における環境に配慮した製品の開発・生産を進めていく方針で、三井化学は、バイオマスナフサの調達網の拡大を検討しており、市場に対して安定的な製品供給を行うことを目指していく。三井化学グループでは、バイオマスナフサ誘導品のISCC PLUS認証取得を進めているが、フェノール事業においては、フェノール、アセトン、BPAおよびα-メチルスチレンの4製品で同認証を取得しており、今後は外販する全フェノール・チェーン製品の認証登録とそれらの販売を、2024年3月末までに開始することを目標に進める。帝人は、2023年前半にはISCC PLUS認証を取得し、バイオマスPC樹脂の生産開始を目指していく。石油由来の原料を用いた従来のPC樹脂からの切り替えが容易であり、バイオマスPC樹脂のマーケティング活動を進めていく。
ISCC PLUS認証に基づいたマスバランス方式とは、原料から製品への加工・流通工程において、ある特性を持った原料(例:バイオマス由来原料)とそうでない原料(例:石油由来原料)を混合させる場合に、特性を持った原料の投入量に応じて、製品の一部に対し、その特性の割り当てを行う手法のこと。この方式は既に紙(FSC認証)、パーム油(RSPO認証)、電力(グリーン電力証書)など多様な業界で適用されており、バイオマス原料の割合を認証済みの手法で最終製品に割り当てることで、顧客は自身の意志で使用原料がバイオマス化された商品を選択することができる。
詳しくは、→https://jp.mitsuichemicals.com/jp/release/2022/2022_0809.htm
ISCC PLUS認証に基づいたマスバランス方式・関連情報→https://greenproduction.co.jp/archives/4333