ニュース情報/政策関連

経産省と外務省、駐日中国大使館サイトに掲載の、ALPS処理水海洋放出に関するコメントに回答(2023.9)

 9月1日、経済産業省は、外務省とともに、8月28日に駐日中国大使館ホームページで掲載された、ALPS処理水の海洋放出に関するコメントについて、中国側に対して回答を行ったと発表した。
 8月28日、駐日中国大使館ホームページにおいて、ALPS処理水の海洋放出に関するコメントが掲載され、これらのコメントには、事実及び科学的根拠に基づかない内容が含まれていた。日本政府としては、これまでも、中国側から直接提起された指摘には、誠意をもって、科学的根拠に基づき回答してきており、今回のコメントに関しても同様に、中国側に対して回答した。

<中国政府コメントの内容>

①中国政府は、1つ目のコメントとして、日本側は、トリチウムは希釈・処理されている点を説明する一方で、他の核種については説明していないとしている。また、中国政府は、ALPS処理水には60種類以上の放射性核種が含まれており、トリチウムのほか、多くの核種の有効な処理技術がないとしている。さらに、中国政府は、「基準値を満たすこと」と「存在しないこと」は別であり、ALPS処理水の海洋放出は、海洋環境や人体に予期せぬ被害をもたらす可能性があるとしている。

②2つ目のコメントとして、日本側はすべての核種をモニタリングしているわけではなく、モニタリング対象となる海洋生物の種類も少ないので、日本側が公表しているモニタリングデータだけでは、ALPS処理水の放出が安全で無害とすることはできないとしている。また、中国側は、日本側が発表しているデータの大部分は東京電力自身がサンプリングし、検査し、公表しているものであるが、東京電力が発表したデータは信頼できないとしている。

③3つ目のコメントとして、「IAEAのモニタリングメカニズムには、これまでに他の国や国際機関の現場への参加は行われておらず、これでは、真の国際モニタリングとは言えず、透明性を著しく欠いている」として、日本側に対し、各利害関係者が参加できる長期的モニタリングの国際的取組の立ち上げを積極的に支持すべきとしている。

詳しくは、→https://www.meti.go.jp/press/2023/09/20230901004/20230901004.html                     関係情報→http://jp.china-embassy.gov.cn/jpn/dsgxx/202308/t20230828_11134021.htm

2023-09-02 | Posted in ニュース情報/政策関連 |