研究情報

微細藻類で油脂生産注力の東工大発・ファイトリピッド・テクノロジーズ、シードラウンドで2億2千万円の資金調達(2025.6)

 ㈱ファイトリピッド・テクノロジーズ(横浜市緑区)は、京都大学イノベーションキャピタル㈱、㈱リバネスキャピタル・㈱広島ベンチャーキャピタル・㈱フォーカスインキュベート・京都キャピタルパートナーズ㈱・三菱UFJキャピタル㈱・SMBCベンチャーキャピタル㈱を引受先とする第三者割当増資(総額2億2千万円)により、シード期の資金調達を実施したと発表した。

 ファイトリピッド・テクノロジーズは、2021年の東工大発ベンチャー(東京科学大学認定ベンチャー)としての会社創設以来、主に企業との共同研究などをもとに微細藻類のポテンシャルを最大限に活用し、二酸化炭素を吸収しながら食用油脂やω3脂肪酸、燃料油脂などの有用な脂質類を生産するための研究開発を進めてきた。

 同社がターゲットとする油脂高生産藻ナンノクロロプシスは微細藻の中でも特に食用や燃料用として活用できる油脂を生産する能力が極めて高く、また油脂とは異なる形でω3脂肪酸を蓄積することが分かっているが、同社はそのナンノクロロプシスを高密度に培養する技術やナンノクロロプシスに含まれる有用脂質類を分別して生産する技術を有している。

 今回の資金調達を基に、弊社が独自に有する微細藻類の培養技術、藻類からの脂質抽出技術をさらに高めるとともに、瀬戸内の沿岸部に企業との連携により自社培養施設を設置することを計画している。この自社培養施設で藻類から食用油脂・ω3脂肪酸・食用たんぱく質資材を生産して連携する食品企業などへの提供を行うことで、これら食品資材の大規模提供の仕組みづくりを加速していく。またこのような藻類による有用脂質の大規模生産の推進をもとに、バイオ燃料の資材提供などカーボン・ニュートラルへの貢献の新たな道筋を開拓する考えだ。

油脂高生産藻ナンノクロロプシス

詳しくは、→https://phytolipidtech.co.jp/pr-times20250627/ 

 

2025-06-30 | Posted in 研究情報 |