トピックス,エネルギー編

三井物産、合成燃料(e-fuel)の事業会社 米・Infinium社への出資参画(2025.4)

 三井物産㈱は、合成燃料(e-Fuel=エレクトロフューエル。e-SAFを始めとする次世代液体燃料)の製造技術・事業開発を行う米国Infinium Holdings, Inc.(インフィニウム)に投資した。今回のInfinium社への出資参画は、合成燃料の領域では、2025年2月13日に発表したTwelve社に続く第二弾となる。

 合成燃料とは、グリーン水素(クリーンエネルギーで水を電気分解し製造)と二酸化炭素(CO2)を原料に、化学・触媒反応で合成した液体燃料で、GHG排出削減策として特に輸送・産業分野で重要性が高まる見込みである。具体的には、化石燃料由来のものと対比し90%以上のGHG削減効果があること、航空機等のエンジンや運搬・貯蔵の関連インフラを改造せずに既存のまま活用可能なドロップイン燃料として電化等が困難な航空・船舶・長距離陸上といった用途にも対応できること等の特徴がある。

 Infinium社は、逆シフト反応による合成燃料の製造プラントを世界で初めて稼働させた、業界のリーディングカンパニーである。初号製造プラント(米国テキサス州)は、2023年後半に稼働を開始し、同プラントから製造されるe-DieselはAmazonが同社の輸送車両燃料として使用、e-NaphthaはBorealisが低炭素プラスチック製造に使用している。e-SAF製造に特化した2号製造プラント(米国テキサス州)も立ち上げを計画しており、次世代燃料の事業に幅広く投資を行うカナダの資産運用会社Brookfieldやクリーンエネルギー投資プログラムBreakthrough Energy Catalystがプロジェクトへの資金供与を行い、IAG(International Airlines Group)やAmerican Airlinesが同プラントから製造されるe-SAFの調達を決めている。

 三井物産は、DAC(Direct Air Capture)をはじめとするCO2の回収から、CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)によるCO2の貯留、合成燃料の製造といったCO2の活用、そしてクレジット創出・販売まで、幅広くカーボンバリューチェーンにおける取組を加速している。合成燃料分野での投資ポートフォリオ企業との協業を深化させることで、カーボンニュートラル燃料の製造・販売事業を拡大し、クリーンエネルギー開発、バイオマス・DAC等からの多様なCO2原料と、各燃料需要を結び付け、バリューチェーンの価値最大化を図る。そして、規模感のある脱炭素燃料事業をグローバル展開することで、カーボンマネジメント産業の創造に貢献していく考えだ。

詳しくは、→https://www.mitsui.com/jp/ja/topics/2025/1251208_14877.html

 

2025-04-19 | Posted in エネルギー編, トピックス |