ニュース情報/政策関連

宮城県議会、再生可能エネルギー地域共生促進条例を可決・公布。促進区域へ誘導、自然保護(2023.7)

 宮城県議会は7月4日、森林を開発する再生可能エネルギー事業者に課税する「再生可能エネルギー地域共生促進税条例」を全会一致で可決、7月11日公布された。県が法定外普通税の新設等を行う際には、地方税法第259条第1項の規定により総務大臣の同意を得る必要があり、条例は、総務大臣の同意を得た日から6月以内の規則で定める日から施行することとしており、令和6年4月までの施行を目指す。

 脱炭素社会の実現に向けて積極的な導入が重要となる再生可能エネルギー発電設備については、特に森林に設置される場合、土砂災害や景観、環境への影響等の懸念から、地域住民との調整に課題を抱える例も少なくない。宮城県では、これまでも太陽光発電施設の設定等に関する条例や、環境影響評価制度等の適切な運用に取り組んできたが、再生可能エネルギーの最大限の導入と環境保全の両立のための新たな取組として、再生可能エネルギー発電事業の地域との共生の促進に向けた税を導入することとした。

 再生可能エネルギー地域共生促進税は、0.5ヘクタールを超える森林を開発し、再生可能エネルギー(太陽光、風力、バイオマス)発電設備を設置した場合、その発電出力に応じて、設備の所有者に課税するもので、地域との共生が図られていると認められる場合は非課税とし、事業者に地域との合意形成に当たり、丁寧な説明や地域住民との対話、環境への配慮、地域がメリットを感じられる方策等を促すものだ。

 同種の新税は全国初で、再エネ事業を平地などの促進地域へ誘導し、自然保護を図る。新税は、水力と地熱は対象外。徴収額は営業利益の2割相当とし、エネルギー種別ごとに異なる税率を適用する。同じ森林開発事業でも、改正地球温暖化対策推進法に基づく「促進区域」内の認定事業は課税対象外とする。現在36の事業者が計画を進めており、促進地域に誘導するのが最大の目的だ。
 具体的には、太陽光は出力1kw当たり最低620円、風力は1kw当たり最低2,470円で、固定価格買い取り制度(FIT)の売電価格に応じて設定する。バイオマスは1kw当たり1,050円。条例施行後5年以内に内容を見直す。県は可決を受けて、総務省と協議を始める。総務相は有識者でつくる地方財政審議会の意見を踏まえ、同意の可否を判断する。

詳しくは、→https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/saisei/kyousei_tax.html

 

 

2023-07-08 | Posted in ニュース情報/政策関連 |