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国際海事機関(IMO)、国際海運のGHG排出削減へ新目標を採択。2050年までに実質ゼロに(2023.7)
国際海事機関(IMO)は、海洋環境保護委員会(MEPC 80)で会合を開き、GHG排出削減に関する強化した目標を採択した。世界を行き交う船舶から出るGHGを2050年ごろまでに実質ゼロにするというもので、従来の「2050年までに排出量を2008年比で50%以上削減」という目標から大幅な引き上げを行った。
新目標では、2050年実質ゼロに向けた進捗をはかるための中間指標を設定。2030年に2008年比で20%~30%減、2040年までには70%~80%減を目指す。排出量がゼロかゼロに近い燃料の利用を2030年までに5%~10%導入することも盛り込まれた。
IMOによると、世界の貿易量のおよそ90%が船舶で運ばれ、こうした国際海運によるGHG排出量は世界全体の3%近くを占めている。ただし、各国が国連に提出するGHG排出量のデータの対象外で、国ごとの削減目標でも考慮されていない。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、地球温暖化の悪影響を抑えるため、世界の平均気温の上昇を産業革命前から1・5度に抑えるためには、国際海運も含め世界全体で2050年ごろまでにCO2排出を実質ゼロにする必要があるとされている。
詳しくは、→https://www.imo.org/en/MediaCentre/PressBriefings/Pages/Revised-GHG-reduction-strategy-for-global-shipping-adopted-.aspx 関連情報→https://www.mlit.go.jp/report/press/kaiji07_hh_000289.html