研究情報

スイス・Climeworksの大型DACプラントがアイスランドで着工、空気中CO2を直接固定。 (2022.7)

 CO2回収技術を開発するスイスのスタートアップ企業のClimeworks(クライムワークス)は、大気中から年間3万6,000トンものCO2を回収・貯蔵できるというDAC(Direct Air Capture)プラントをアイスランドで着工したと、6月28日に発表した。2030年までに年間数百万トン、2050年までには年間10億トンものCO2の回収を計画している。

 新たに建設するDACプラントは「Mammoth(マンモス)」と呼ばれ、完成予定は1年半~2年後。操業は再生可能エネルギーを使って行われ、回収したCO2は玄武岩などに反応させて炭酸塩鉱物にすることで固定化し、地下に貯蔵する。CO2貯蔵パートナーのCarbfix(カルブフィックス)が、CO2の恒久的な地下貯蔵を提供、ON Powerが運営する発電所は、マンモスプラントとCO2注入エリアに再生可能エネルギーを供給して、炭素回収および貯蔵プロセス全体をサポートするという。 

 クライムワークスは2016年に、自然界なら数百~数千年はかかるというCO2の無機化を、2年未満で実現できることを実証した。2021年にはアイスランドに初の大規模プラント「Orca」を稼働し、年間4,000トンのCO2回収を可能としている。今回のマンモスプラントはこの規模を1桁上回る。

(完成イメージ図)

詳しくは→https://climeworks.com/news/climeworks-announces-groundbreaking-on-mammoth                参考情報→https://www.carbfix.com/the-new-plant-called-mammoth-increases-the-direct

2022-07-06 | Posted in 研究情報 |