トピックス,エネルギー編
中・国富氢能(Guofu Hydrogen Energy)はマレーシア・NRSSBと提携し、東南アジアでのグリーン水素エコシステム構築へ(2025.11)
2025年11月21日、マレーシア・トレンガヌ州パカグリーン水素統合プロジェクトの調印式が成功裏に開催された。中国江蘇省・国富氢能技术装备股份有限公司(国富氢能:Guofu Hydrogen Energy)とマレーシアの電力・エンジニアリング企業のNova RE Suria Sdn Bhd(NRSSB)は正式に協定を締結し、水素エネルギー分野における両者の緊密な協力の始まりを示した。
この調印式には、UAEのBin Zayed International(BZIM)や江蘇省・能建国际联合など、多様なパートナーが参加した。国富氢能とNRSSBは、グリーン水素消費分野での緊密な連携に重点を置くとともに、プロジェクトオーナーや関連パートナーと協力してプロジェクトの実施を推進し、グリーン水素産業エコシステムの構築に多様な推進力を注入していく。
マレーシアのトレンガヌ州に位置するこのプロジェクトは、地域初の大規模グリーン水素フラッグシッププロジェクトの一つである。段階的な建設が計画されており、マレーシアの国家エネルギー戦略と「2050年までに炭素排出ゼロ」というビジョンに深く合致し、地域のグリーンエネルギー複合施設の中核を担う。このプロジェクトでは、200MWの水素製造プラントを建設し、フル稼働時には年間約3万トンのグリーン水素を生産することができる。これは、マレーシア国内の産業需要への供給と国際市場への輸出の両方を担うことになり、「地産地消+グローバル流通」という二重機能のレイアウトを形成し、マレーシアのグリーン水素プロジェクトの中で規模と位置付けにおいて大きな優位性をもたらす。
本提携において、国富氢能はエネルギー消費における中核的な役割を担う。同社は、本プロジェクトのグリーン水素配送事業を担い、東南アジアおよび東アジアの主要市場へグリーン水素を効率的に輸送するとともに、グリーンアンモニアやグリーンメタノールといったグリーン水素誘導体のグローバル消費ネットワークの構築に参画する。また、プロジェクトの水素輸送に必要な設備と技術ソリューションを包括的に提供し、「製造、貯蔵、輸送、充填、利用」というフルチェーン能力を活かし、物流サポートを強化する。この消費協力は、設備面での協力をさらに深化させるための基盤も築く。プロジェクトの進展に伴い、国富氢能はこれまで培ってきた技術力を活かし、関連設備協力にも参画し、プロジェクトの技術サポート体制をさらに強化していく。東南アジアの水素エネルギー市場にいち早く参入した中国企業の一つである国富氢能は、これまでにシンガポールとマレーシアでグリーン水素充填および液化水素の実証プロジェクトを立ち上げている。この契約は、同社の水素エネルギー戦略が「単一点パイロットプロジェクト」から「大規模消費+派生的拡大+エコロジカルシナジー」へと新たな段階に移行することを示すものである。

