トピックス,マテリアル他編
Bioworksのポリ乳酸アップグレードの合成繊維、ゴールドウインの「THE NORTH FACE」等で初採用(2025.11)
Bioworks㈱(本社:京都府相楽郡)が研究開発する植物由来の次世代合成繊維「PlaX(プラックス)」が、㈱ゴールドウインが展開する「THE NORTH FACE(ザ ノース フェイス)」と「NEUTRALWORKS.(ニュートラルワークス.)」 で初めて採用された。
Bioworks とゴールドウインは、2022年よりPlaXの製品開発を共同で進めてきた。このたびゴールドウインが展開する「THE NORTH FACE」「 NEUTRALWORKS.」の2025 年秋冬コレクションより、PlaXを使用したボアフリースのアウター製品が発売された。 製品化に向けては、両社の間で長期間にわたる試作・検証が行われた。ゴールドウインが求める高い品質基準、特に染色性や堅牢度に応えるため、両社協業で糸の加工条件や設計を見直し、テキスタイルメーカー、染工場の協力のもとテストを繰り返し、素材の改良を重ねた。こうした継続的な品質向上への取り組みを経て、約3年にわたり実用化に向けた準備を進め、今回の採用に至った。 両社は今後も、素材開発と製品設計の両面から連携を深め、持続可能なものづくりの加速を目指す。BioworksはPlaXの採用拡大を通じ、ファッション業界における環境負荷低減と循環型社会の実現に貢献していく考えだ。
PlaX とは 「PlaX」は、サトウキビなどの植物を原料とするバイオマス素材「ポリ乳酸(PLA)」に、同社が独自に開発した「植物由来の添加剤」を加えることで、品質と機能をアップデートした環境負荷低減に貢献する新素材。 石油由来の合成繊維であるポリエステルなどの代替はもちろん、汎用性に優れた素材として世界的に注目を集めている。
《PlaX 繊維の特徴》 ●ポリエステルと比較して、PlaXに置き換えることで、長繊維の製造にかかるCO2排出量を70%削減、短繊維(原綿)の製造にかかるCO2排出量を50%削減。 ●綿と比較して原料から糸製造時までの水使用量を92%削減。 ●工業用コンポスト環境において、水やCO2に分解される「生分解性」の特性を持つ素材。 ●廃棄物から同等の素材を再生産する「ケミカルリサイクル」と相性が良く、資源を循環させるクローズドループの実現に向けた研究開発が進む。 ●焼却廃棄時のCO2排出量を削減。ダイオキシンなどの有害物質も発生しない。 ・乳酸由来の抗菌効果によって、繊維上のモラクセラ菌や、黄色ブドウ球菌の繁殖を防ぎ、防臭効果にも寄与。
→https://bioworks.co.jp/uploads/2025.11.19_Pressrelease_.pdf
