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NEW環境展2019注目した展示 しまね産業振興財団などリグノフェノールで強化プラ(2019.4.4)

NEW環境展2019は3月12日~3月15日 東京ビッグサイトで開催された。農林水産省の研究推進する木材に含まれるリグニン関連の開発技術、また増大する使用済み紙おむつ燃料化などを追った。

しまね産業振興財団/緑のコンビナート推進協議会は、隠岐の島で生産した木材由来リグニン誘導体のリグノフェノール添加によって物性を高めた各種プラスチック成型体の開発品を展示した。ポリカーボネイト(PC)樹脂、フェノール(PH)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂へのリグノフェノールの添加により難燃性、強度向上などの物性向上データを基に、自動車関連分野への展開に向け試作成果を示した。

隠岐の島町と緑のコンビナート推進協議会は、バイオマス産業都市として平成26年度、農林水産省から認定を受けた。その時掲げたテーマのひとつが、木質バイオマスリグノフェノール事業だ。

推進協議会の本土企業として参画する藤井基礎設計事務所は、かねてからリグノフェノールに着目。木材から効率よくリグノフェノールを抽出する技術を開発し、大量抽出できる製造プロセスを確立、現在島内に神鋼環境ソリューションとともにパイロットプラント建設を進めている。事業担当者によると「自動車関連分野をターゲットとし開発を進めながら、リグノフェノール年間1000t規模の商用プラントの稼働を2~3年後に実現したい」と語る。

バイオアパタイトは、卵の殻(炭酸カルシウム、キチンなど)と、破砕木材(セルロースやリグニンなど)を成型した、バイオマス由来新素材「カルタイト」を展示した。事業担当者によると「キチンとリグニンを180~200℃の熱硬化反応によって樹脂などを用いず成型し、セラミックに近い強い性質、高断熱性、難燃性をもっています。幅広い分野での普及を目指していきたい」と語る。

同社は、卵の殻から作られた「バイオアパタイト」を中核とする事業を展開する。アパタイトとは、天然の鉱物、燐灰石の名称で、カルシウムとリン酸の無機質化合物。1000℃の熱にも耐える安定した物質で、生体親和性が高く、pHも中性で安全性に優れている。天然由来のアパタイトはミネラル分を含み、鉱物由来のアパタイトに比べ、さらに生体親和性に優れているという。同社の「バイオアパタイト」は、成分的、衛生的に管理された「国産卵殻」を原料として独自技術の湿式製法で合成。生体組成により近い構造を持ち、他の物質に対して柔軟な反応を示し、かつ高い吸着力をもつ。その特徴をもとに歯磨き粉、石鹸などの独自ブランド商品を開発、展開中。

チヨダマシナリーとスーパー・フェイズは使用済み紙おむつ燃料化装置「SFDシステム」を展示した。高齢者の介護や子育てに不可欠な使い捨ての紙おむつは、高齢化社会到来の中で増大に向かっているが、常時ゴミとして焼却・埋め立て処理され排出者の重い負担、税金の投入、地球温暖化ガスの排出につながっている。紙おむつの多くは、不織布、綿状パルプ、尿を吸収しゼリー状に固める高分子吸水材(ポリマー)、吸収紙などで構成されているが、使用済み紙おむつはこれらに排尿や排便などが含まれる。

同システムは使用済み紙おむつを、水を使用せず、破砕・乾燥・滅菌してバイオマスボイラーなどで使用可能な固形燃料ペレット化する。熱量は約5000kcal/kg、臭気も気にならず、水分は10%未満という。スーパー・フェイズは、上記の装置を開発、同社地元の鳥取県伯耆町において実証事業を実施、これらの事業の取り組みが評価され、平成30年度「循環型社会形成推進功労者環境大臣賞」を受賞した。

 

2019-04-04 | Posted in G&Bレポート, ニュース |