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中国電力・東芝ESS等4社、ネガティブエミッション技術(BECCS)の大規模実装へ。防府バイオマス発電所へCCS設備の設計・検討着手(2024.9)

 中国電力㈱、住友重機械工業㈱(住友重機械)、東芝エネルギーシステムズ㈱(東芝 ESS) および日揮グローバル㈱の4社は、ネガティブエミッション技術である「BECCS」の国内初となる大規模な商用実装に向け、中国電力グループのエネルギア・パワー山口㈱(EP山口)が運営する防府バイオマス発電所(山口県防府市)でのCO2分離回収・液化・貯蔵・払出設備を含めたCCS設備の設計・検討に着手したと発表した。

 本検討は、中国電力が独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構より令和6年度「先進的CCS 事業に係る設計作業等」に関する委託調査業務を受託したことに伴う取り組み。4社は来年2月末まで検討を行い、2030年度頃までにCCS設備の導入を目指す。

 防府バイオマス発電所で使用される燃料は、約45%が石炭、残りの約55%がカーボンニュートラル燃料である木質系バイオマス。本検討では、同発電所で排出するCO2の80%に相当する約50万t-CO2/年を回収できる設備を設計する。これにより、石炭由来のCO2に加え、バイオマスの燃焼によるCO2も回収・貯留することとなり、実質的にCO2排出量をマイナスにするネガティブエミッションが可能となると考えている。

 本検討において、中国電力は、発電設備の計画、設計、運用の知見を生かし、基本計画の策定と全体の取り纏めを行う。住友重機械は、バイオマスを含む幅広い燃料に適用可能なボイラ技術とCO2分離回収技術に関する知見を有しており、既存の発電設備の改造を含めたCO2分離回収プロセス全体の構成に係る設計・検討を担う。東芝 ESSは、バイオマス発電所からのCO2分離回収技術の知見を有しており、その知見を生かし分離回収設備の設計・検討を担う。日揮グローバルは、CCS設備の実現可能性調査から設計・施工まで手掛けた実績を有しており、その知見を生かしてCO2液化・貯蔵・払出設備等の設計・検討を担う。 4 社は、本検討を通じ、CO2の分離・回収から、液化・輸送・貯留まで一気通貫で取り組むバリューチェーンのうち、防府バイオマス発電所でのCO2の分離・回収から液化、貯蔵、払出までの検討を行う。

詳しくは、→https://www.energia.co.jp/assets/press/2024/p20240924_1.pdf

2024-09-25 | Posted in トピックス |