ニュース情報/政策関連
米・財務省とIRS、航空部門の排出量を削減するSAFクレジット・税額控除ガイダンスを発表(2024.4)
米国財務省および内国歳入庁(IRS)は、高収入を生み出すバイデン大統領の対米投資計画の一環として、インフレ抑制法(IRA)によって確立されたSAFクレジットに関するガイダンスを発表した。航空業界のイノベーションを促進することで雇用を増やし、気候変動を軽減する。なお、財務省は、通告にあたり、環境保護庁(EPA)、運輸省(DOT)、農務省(USDA)、エネルギー省(DOE)を含むバイデン・ハリス政権のパートナー等と緊密に連携を行った。
財務省のガイダンスは、SAF クレジットの資格にについて明確にしている。このクレジットは、石油ベースのジェット燃料と比較して、ライフサイクルにおける温室効果ガス排出量の少なくとも 50% 削減を達成する SAF の生産を奨励する。 SAF の生産者は 1 ガロンあたり 1.25 ドルから 1.75 ドルの税額控除を受けることができる。 50% の GHG 排出削減を達成した SAF は 1 ガロンあたり 1.25 ドルのクレジットの対象となり、50% を超える GHG 排出削減を達成した SAF は、削減が 50% を超えるパーセントポイントごとに 1 ガロンあたり 0.01 ドルの追加クレジットを受け取る資格が有し、最大0.50ドルまで可能だ。
ガイダンスの一環として、SAF 省庁間作業部会 (IWG) を構成する各機関は共同で 40B SAF-GREET 2024 モデルを発表する。このモデルは、SAF クレジットの目的で、SAF 生産者が自社の生産のライフサイクル GHG 排出率を決定するための新たな方法論を提供する。GREET の修正バージョンには、航空燃料および間接排出で使用される主要な原料とプロセスの更新されたモデリングを含む、新しいデータが組み込まれており、炭素の回収と貯留、再生可能な天然ガス、再生可能な電力などの主要な温室効果ガス排出削減戦略も統合されている。
発表された通告には、パイロットベースで、SAF原料に対する特定の気候スマート農業(CSA)実践の使用を奨励するUSDAパイロットプログラムも組み込まれている。 CSA の実践を SAF の生産に組み込むことにより、SAF の生産に伴う全体的な GHG 排出量の削減や、水質や土壌の健全性の改善など、他の環境上の利点に関連する農業実践の導入の増加など、複数の利点がもたらされる。
トウモロコシのエタノールからジェット燃料への転換では、特定の CSA 実践(不耕起、被覆作物、および効率向上肥料)の「バンドル」が使用される場合、パイロットは温室効果ガス削減クレジットを提供する。同様に、大豆原料が適用可能なCSA慣行(不耕起と被覆作物)の「バンドル」を使用して生産される場合、大豆からジェット燃料への温室効果ガス削減クレジットが許可される。これは 40Bクレジットに特化したパイロット プログラムで、2023年と2024年に実施されたものである。また、2025 年に利用可能になるクリーン燃料生産クレジット(45Z)に CSA の実践をクレジットするために、政府機関は検証だけでなくモデリング、データ、仮定についてさらなる作業を行う予定。新しい 45Z-GREET は、45Z 税額控除で使用するために開発される。
詳しくは、→https://home.treasury.gov/news/press-releases/jy2307