研究情報
東工大研究G、CO2からの高効率メタノール合成に成功。 カーボンニュートラルの鍵となる触媒開発(2024.5)
東京工業大学の研究チームは、ゼオライト粒子内部に銅ナノ粒子を固定化した触媒を開発し、CO2から高効率でメタノールを合成することに成功したと発表した。
メタノールは、内燃機関や燃料電池に直接利用できる燃料としてだけでなく、プラスチック原料となる有機化合物へ変換可能な化学物質として非常に有用である。そのため、カーボンニュートラルの観点から、CO2からメタノールへの変換を促進する触媒の開発が注目を集めている。CO2からのメタノール合成には、銅亜鉛系触媒が有効であることが知られているが、金属銅は熱凝集で大きな粒子となるため、CO2に対する反応活性が低いという問題があった。
本研究において、ゼオライト(シリカ系多孔質材料)の粒子内部に銅ナノ粒子を固定化させた触媒(銅の粒子サイズは約2~3ナノメートル)を開発し、この触媒に亜鉛を添加することで、メタノール合成に有効な銅-亜鉛界面を形成させた。開発した触媒のメタノール生成速度は、銅の重さ基準で約1,250 mg-CH3OH・g-Cu-1・h-1以上であり、市販触媒の10倍以上の速度での高効率なメタノール合成に成功した。今回の成果は、CO2からのメタノール合成技術の実用化を加速させるものであり、カーボンニュートラル社会の実現に貢献することが期待される。
詳しくは、→https://www.titech.ac.jp/news/2024/069198
2024-05-09 | Posted in 研究情報 |