研究情報

遺伝研、理研、北里大、アクアマリンふくしまの研究G、サンマのゲノム情報読み取り公開。未開だったサンマの科学的研究へ(2024.3)

 国立遺伝学研究所、北里大学、理化学研究所、アクアマリンふくしまの研究チームは、サンマの全ゲノム情報を読み取り、多様な分子生物学研究のための情報基盤を整えたと発表した。
 「秋の味覚」として日本人に古くから親しまれてきたサンマは、近年、漁獲量が減少し、価格が高騰したことで大きな話題となった。これまで、サンマは漁獲量が比較的安定しており、魚価も安かったことから、養殖技術は確立されてこなかった。このような背景から、身近な魚であるにもかかわらず、サンマの生物学的研究はあまりなされていなかった。さらに、分子生物学研究の基本となる全ゲノム配列などDNA情報が整備されていなかったことも、サンマについての研究が進んでいない大きな要因である。
 本研究では、世界で唯一サンマの継代飼育および展示を成功させた水族館であるアクアマリンふくしまにて陸上水槽内で人工ふ化し養成したサンマ成魚を用いた。まず、一分子リアルタイム(SMRT)塩基読み取り技術による高精度な長鎖配列(ロングリード)解析により、このサンマのDNA断片情報を取得した。そして、染色体立体配座捕捉法(Hi-C)により、数千万塩基にもなる染色体のDNA配列を再構築した。今後、他生物と配列を比較することで、サンマの分子生物学的特徴が明らかになると期待される。

詳しくは、→https://www.nig.ac.jp/nig/ja/2024/03/research-highlights_ja/pr20240307.html

2024-03-09 | Posted in 研究情報 |