研究情報

アルヌール、黒毛和牛肥育大手の水迫ファームと業務提携。海藻・カギケノリ飼料化実証へ(2024.1)

 ㈱アルヌール(東京都渋谷区)は、黒毛和牛肥育大手の水迫畜産グループである㈱水迫ファーム(鹿児島県指宿市)と、カギケノリの飼料化に向けて、飼料及び飼料添加物の安全性、GHG削減効果等の実証試験を行うべく業務提携契約を締結したと発表した。
 牛のゲップ由来メタン抑制効果のある海藻の「カギケノリ」を飼料化するにあたり、安全性やGHG削減効果等について海外では多数の論文がでているものの、日本国内での検証が必要であるため、実際に生きている牛に給餌することにより、安全性やウシ消化管内発酵メタン産生抑制効果を解明し、GHG削減効果等が得られるか実証試験を行う。

 牛・人・環境にやさしい畜産を心がける水迫ファームは、鹿児島県内において理想の肉質へ仕上げる肥育を実践し、『さつまビーフ』などの多数のブランド牛を輩出している。また同社では、牛を健康に育てるための管理をDX化し、牛の行動データの管理や、飼料の安全性は勿論のこと、牛の健康を維持する上で栄養成分や嗜好性までも重要な要因とし、自社で配合飼料の製造も行っている。
 本業務提携により、自社で飼料製造事業を展開し実証試験を行える同社に強力なパートナーとなって頂き、水迫ファームの持つ専門的な知識や技術をご提供いただくことで、最も効率的にGHGを削減できる「カギケノリ」の加工法の開発を重ね、その効果を実証し、農林水産省のGHG削減を目的とする飼料添加物としての指定を受けていく予定だ。
 また今後は、本プロジェクトに参加する自治体や企業を募り、海洋国家である日本において「カギケノリ」の大量養殖を海洋及び陸上と両側面にて養殖技術の開発および「カギケノリ」による「牛のゲップ由来メタン」の削減効果のある飼料の開発により持続可能な社会の実現を目指していく考えだ。

 水迫畜産グループは、有限会社水迫畜産・株式会社水迫ファームで構成されており、鹿児島・宮崎・沖縄にまたがり、38農場を運営している。飼養頭数は約16,000頭に上る。自社飼料工場を2工場運営しており、年間約5万トンの配合飼料を製造、また植物性残差を麹菌で発酵させたリサイクル発酵飼料も製造、給餌している。繁殖事業・肥育事業・飼料、肥料製造・産業廃棄物事業・食肉加工事業などをグループで行っている。  

詳しくは、→https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000039.000072966.html

2024-01-13 | Posted in 研究情報 |