研究情報

近大水産研究所、ニホンウナギの完全養殖に大学初の成功。養殖用種苗(稚魚)実用化めざす(2023.10)

 近畿大学水産研究所(本部:和歌山県白浜町)は、ニホンウナギの種苗生産研究に取り組んでおり、2023年7月6日、人工種苗から養成した親魚より仔魚を得ることに成功し、完全養殖を達成したと発表した。10月26日現在、仔魚の飼育期間は112日となっている。

 ウナギの完全養殖については、2010年に国立研究開発法人水産研究・教育機構が成功しているが、大学としては初の成果となる。まずは養殖用種苗として利用可能になるシラスウナギ(稚魚)までの育成を第一目標としている。今後、仔魚用飼料の改良に取り組むなどして、育成技術の安定化に向けた研究を続ける考えだ。

完全養殖を達成したニホンウナギの仔魚(99日齢)

 ウナギは日本の食文化に欠くことのできない食材だが、国内消費量の99%以上を養殖に依存している。現在、ウナギ養殖に用いる種苗はすべて、シラスウナギと呼ばれる天然の稚魚が用いられているが、近年、漁獲されるシラスウナギの量が著しく減っているため、ウナギ養殖に必要な種苗の確保が課題となっており、一日も早い「完全養殖」の実用化が望まれている。
 ウナギの完全養殖をめざす研究は古くから行われ、北海道大学が1973年に人工ふ化に成功、水産機構(当時 独立行政法人水産総合研究センター)が2002年にシラスウナギまで育成し、2010年には完全養殖に成功した。しかし、実用的なコストでの大量生産には至っていない。

詳しくは、→https://newscast.jp/news/6313733

 

 

2023-10-28 | Posted in 研究情報 |