ニュース情報/政策関連

米国環境保護庁、 E15ガソリン販売の緊急燃料免除を発表。燃料の安定確保と経済支援へ(2023.4)

 米国環境保護庁(EPA:The U.S. Environmental Protection Agency)は、E15ガソリン(バイオエタノールを15% 混合したガソリン)を夏のドライブシーズンに販売できるようにする緊急燃料免除すると発表した。通常はE10ガソリンが販売されているが、この免除は、輸入化石燃料への依存を減らし、米国のエネルギーの独立性を構築し、米国の農業と製造業を支援することにより、米国民を燃料供給の危機から保護する考えに基づくもの。価格的には平均して、E15はE10よりも1ガロンあたり約25セント安価と予測される。
 「バイデン・ハリス政権は、消費者がより多くの選択肢を持てるようにすることで、ウクライナで進行中の戦争に起因する燃料供給の課題からアメリカ人を保護することに取り組んでいる」と管理者のマイケル・S・リーガンは述べた。「夏のドライブシーズンにE15の販売を許可することは、燃料供給の増加に役立つだけでなく、アメリカの農家を支援し、米国のエネルギー安全保障を強化し、全国のドライバーに安心を提供する」とした。
 大気浄化法により、同庁は、米国エネルギー省(DOE:The Department of Energy)と協議して、不足に対処するために特定の燃料要件を一時的に放棄することができる。ウクライナで進行中の戦争の結果、レーガン長官は、極端で異常な燃料供給状況が存在すると判断し、ガソリンの適切な供給を確保するために一時的な権利放棄を認めた。法律で義務付けられているように、同庁とエネルギー省は状況を評価し、権利放棄を認めることが公益にかなうと判断した。
 消費者が使用するE10ガソリンとE15ガソリンのRVP(リード蒸気圧)は同じであるため(どちらも同庁または州の規制で要求されているよりも1psi 高くなる)、同庁は調査結果からこの免除が大気の質に重大な影響を与えるとは考えていない。夏にE15を使用した場合、大気に影響が及ぶことを心配することなく、E15を使用し続けることができるとしている。
 同庁の緊急燃料免除は5月1日に発効し、法定最大20日間である5月20日まで続く。産業界および連邦パートナーとの供給を引き続き監視し、ウクライナでの戦争による極端で異常な燃料供給状況が存在しなくなるまで、緊急燃料免除を効果的に延長する新たな免除を発行する予定。

詳しくは、→https://www.epa.gov/newsreleases/epa-issues-emergency-fuel-waiver-e15-sales-0                 関連情報→https://greenproduction.co.jp/archives/5316                                         米国RFA発表→https://ethanolrfa.org/media-and-news/category/news-releases/article/2023/04/rfa-welcomes-emergency-e15-waiver-for-summer-driving-season

 

2023-05-04 | Posted in ニュース情報/政策関連 |