研究情報

ユーグレナと帯広畜産大、微細藻類ユーグレナと海藻カギケノリの混合飼料が反芻家畜メタン排出軽減確認(2023.4)

 ㈱ユーグレナは、国立大学法人北海道国立大学機構帯広畜産大学と共同で行った研究において、微細藻類ユーグレナと海藻の紅藻類カギケノリの混合飼料が、反芻家畜の健康を損なうことなく排出されるメタンの量を軽減することを確認した。

 畜産業は人間のタンパク質の供給源として人間活動にかかせない産業ですが、近年ではその環境負荷や飼料原料の不足・高騰などの課題に直面しており、代替となる環境負荷の少ない持続可能な飼料原料を見つけることが急務となっている。なかでも、牛をはじめとする反芻家畜が、飼料を消化する過程で胃から放出する大量のメタンは、温室効果ガス全体の約5%を占めるとされ、気候変動に及ぼす影響が大きく、その抑制・軽減は喫緊の課題だ。
 その対策として近年、反芻家畜からのメタン排出量を削減する飼料原料の選択肢の一つとして、藻類が期待されている。これまでの研究により、カギケノリは、ブロモホルムという含有物質を通じて反芻家畜の消化器官で生成されるメタン量を軽減する効果で知られているしかしながら、カギケノリの飼料への含有量が多くなった場合、家畜がエネルギー源とする揮発性脂肪酸(VFA)の組成への影響などの懸念があることなどが挙げられている。
 一方、ユーグレナでも、反芻家畜への給餌がメタン排出量を軽減させることが確認されているが、ユーグレナは、タンパク質や脂質、炭水化物のほか、ビタミンなどの栄養素を豊富に含んでいることから、大豆やトウモロコシ、小麦などの従来の飼料原料と同等かそれ以上の素材となる可能性も期待できる。
 本研究では、ユーグレナとカギケノリの混合物を飼料と部分的に置き換え、家畜の健康とメタン排出量軽減との両方に配慮した飼料の可能性を検討した。

左・ユーグレナ粉末(イメージ)、右・カギケノリ(赤紫色の海藻、イメージ)

詳しくは、→https://www.euglena.jp/news/20230412-2/

2023-04-13 | Posted in 研究情報 |