研究情報
ミダックとアルヌール、廃棄物焼却施設由来CO2活用の微細藻類培養CCU技術の共同研究開始(2023.4)
㈱ミダック(静岡県浜松市)は、㈱アルヌール(東京都渋谷区)と微細藻類培養CCU技術として、「微細藻類培養を通じた廃棄物 焼却施設から放出する焼却由来CO2の有効活用・脱炭素技術開発及び希少有用成分の用途・市場開拓」という題目で共同研究を行うことに合意し、共同研究契約を締結した。
焼却排ガスから高純度の CO2 を回収する技術は開発されて久しいが、その回収に係る費用を回収できる CO2用途が限定的なため、一部尿素製造への利用などの用途での実用化事例はあるが、普及には至っていない。 藻類培養は工場等の排ガスから分離回収された CO2 の固定化の方法として注目される技術の1 つで、藻類からはアスタキサンチンに代表される、人工的には合成困難な有用物質が多数発見されている。中でもフコキサンチンは、その機能性の高さが注目を浴び、近年活発に研究がな されている。しかしながら、フコキサンチンを生成できる藻類の大量培養は困難で、安定した生産量を確保するにはまだ乗り越えなければならない課題が残されている。
アルヌールは、微細藻類由来の希少物質「フコキサンチン」を生産している。「フコキサンチン」は 昆布やワカメなどの褐藻類にごく微量に含まれる海洋性カロテノイドの一種で、化粧品や健康食品の成分として高い市場価値を有している。また、がんや糖尿病、肥満等に対する生理的活 性が期待され、活発に研究がなされている。 ミダックは産業廃棄物の一貫処理体制を強みとした業態を特徴としている。ミダックでは持続可能な社会の実現に向け、様々な技術の適用可能性調査を実施してきた結果、両社が協力しあい、微細藻類の CO2 固定化能やフコキサンチン生産能などの評価を行い、廃棄物焼却施設由来CO2固定化技術の実証、およびフコキサンチンの新たなビジネス 開拓を目指すこととなった。
詳しくは、→https://ssl4.eir-parts.net/doc/6564/tdnet/2259119/00.pdf 関連参照情報→https://greenproduction.co.jp/archives/2295