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甲子化学工業のホタテ貝殻由来ヘルメット・ホタメット、大阪・関西万博CDCプログラム選定(2023.3)
甲子化学工業㈱(大阪府大阪市)は、今春、本発売を迎える、貝殻から生まれたヘルメット「HOTAMET/ホタメット」が、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会が推進する「Co-Design Challenge」プログラムに採択されたと発表した。これに伴い、HOTAMETは、持続可能な開発目標(SDGs)達成への貢献を目指す「大阪・関西万博」の防災用公式ヘルメットの一種として導入される予定。
HOTAMETは、北海道猿払村の協力のもと開発した日本初のホタテ貝殻から作られた環境配慮型ヘルメット。ホタテは国内の水産物の中でも輸出額が最も多く、猿払村はホタテ水揚げ量日本一に何度も輝く、国内有数の生産地だ。一方、猿払村の位置する宗谷地区では、ホタテを加工する際に、水産系廃棄物として貝殻が年間約4万トンも発生。2021年には、ホタテ貝殻再利用を目的とした国外への輸出が途絶えてしまったことを機に、地上保管による環境への影響や堆積場所の確保などが地域の社会課題となっていた。同村の余剰ホタテ貝殻の状況を知った同社企画開発部の南原氏は、ホタテ貝殻の主成分が炭酸カルシウムであることに着目し、新素材の材料として再利用開発に着手。ホタテ貝殻も、村を支える重要な資源として捉え、再資源化の取り組みを開始した。
同社は、まず廃棄ホタテ貝殻と廃棄プラスチックを組み合わせた、エコプラスチック新素材「カラスチック」を開発、HOTAMETは、カラスチック素材を使用しており、その特徴は次のとおり。
・新品のプラスチックを100%利用するのと比較して、最大約36%のCO2削減に寄与
・石灰岩由来のエコプラスチックと比較して、約20%のCO2削減に寄与
・ホタテ貝殻をプラスチックに混ぜ込むことで、強度(曲げ弾性率)が約33%向上
詳しくは、→https://koushi-chem.co.jp/2023/03/07/