トピックス,エネルギー編
豊田通商・ユーラスエナジー・岩谷産業、愛知製鋼にてオンサイト型低炭素水素製造供給事業の開始検討へ(2025.10)
2025年9月30日、豊田通商㈱、㈱ユーラスエナジーホールディングスおよび岩谷産業㈱の3社は、需要家の敷地において再生可能エネルギー由来の電力を活用し、低炭素水素を製造・供給する「オンサイト型モデル」の構築に向けて共同で取り組んでいくと発表した。
このたび、「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律(水素社会推進法)に基づく価格差に着目した支援」に経済産業省から認定され、愛知製鋼㈱知多工場(愛知県東海市)において、2030年を目途にオンサイト型低炭素水素製造供給事業の開始を目指して、検討を進めていく。
<背景>
再生可能エネルギー由来の低炭素水素は、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた重要なエネルギー源として期待されている一方で、水素の製造・供給には依然としてコスト面や制度面での課題が多く、普及に向けた障壁となっている。こうした状況を背景に、2024年10月に施行された水素社会推進法に基づき、計画認定制度や支援措置などが定められ、この中で、価格差に着目した支援には、低炭素水素等製造にかかる費用と既存の原燃料価格との差額を補填する助成金制度が設けられている。国による水素の供給および利用に関する制度的支援が本格的に開始されたことで、産業界を中心とした関係各所の連携が一層促進され、水素社会の早期実現に向けた取り組みの加速が期待されている。
<本事業の概要>
本事業では、愛知製鋼知多工場の敷地に、水を電気分解して水素を製造する水電解装置(トヨタ自動車株式会社製のスタックを用いて千代田化工建設株式会社が製造・販売する水電解装置を採用予定)を設置し、ユーラスエナジーが所有する風力発電所の電力を用いてオンサイトで低炭素水素を製造・供給する。愛知製鋼では、鋼材や鉄素材の加熱炉の一部において、現在使用している都市ガスに代えて、この水素を活用する。
3社は2027年3月に合同会社を設立し、設備の設計・設置を経て、年間約1,600トンの水素を製造・供給できる体制を構築し、2030年を目途に事業開始を目指していく考えだ。
詳しくは、→https://www.toyota-tsusho.com/press/detail/250930_006696.html