研究情報
大日本印刷と九大発スタートアップ・JCCL社 CO₂分離回収事業で協業を開始(2025.9)
大日本印刷㈱(DNP)と、九州大学発のスタートアップで低コストかつ高効率なCO2分離回収技術の開発・実用化を進める㈱JCCL(福岡市西区)は、CO2分離回収技術を活用した事業開発やDNPグループのGHG排出量の削減に関する協業を2025年10月に開始すると発表した。DNPとJCCLは、カーボンニュートラル社会実現に向けて、本協業による価値の創出を推進する。
また、DNPのグループ会社の㈱DNP科学分析センターは、JCCLのパートナー企業としてCO2分離回収装置を導入し、同社の顧客にCO2分析サービスの提供を開始する。
【協業の主な取り組み】
1.DNPのGHG削減の取り組みを加速
DNPとJCCLは、固体吸収法と膜分離法を組み合わせたCO2分離回収技術を活用し、排ガスの回収検証や関連装置の製作を進め、2030年度からDNPグループの工場へ設置していく予定。両社は、CO2の分離・回収・利活用のスキームを確立してDNPの各工場に展開することで、Scope1に該当するGHG排出量の削減を目指す。また、この取り組みで培うノウハウを活かして、新たな事業の開発につなげていく。
2.CO2分離回収の技術革新を目指す
JCCLは、固体吸収法と膜分離法の両方式の技術を有し、CO2分離回収に関する材料・性能評価・装置・プロセス設計技術などの幅広い強みも活かして、ワンストップで開発を行うことができる。このJCCLの強みとDNPの印刷技術による量産化の強みを掛け合わせ、両社はCO2分離回収技術の高度化や関連する装置・モジュールの量産化に向けて、生産プロセスの確立、量産性評価を推進する。
3.CO2分離回収に関する分析・評価サービスを提供
DNP科学分析センターは今回、JCCLが提供する固体吸収法を活用したCO₂分離回収装置を導入する。これにより、CO2吸収剤・吸着剤の性能評価やCO₂回収プロセスの開発・実証の評価など、CO₂分離回収に関する分析を2025年10月から提供する。この分析を同社の事業に加えることで、より幅広い分析・評価のサービスをより多様な顧客へ提供する。
詳しくは、→https://www.dnp.co.jp/news/detail/20177276_1587.html