研究情報
アルガルバイオと日本生物科学研究所、アスタキサンチン高含有の藻類製造が商業スケールへ(2025.7)
微細藻類由来のプロダクトやソリューション開発の㈱アルガルバイオ(千葉県柏市)は、㈱日本生物科学研究所(大阪府大阪市)と進めてきた微細藻類ヘマトコッカス由来のアスタキサンチン原料の共同開発プロジェクトが、商用化フェーズに到達したと発表した。
本プロジェクトでは、アルガルバイオが開発した独自の微細藻類株と培養技術を活用し、室内培養装置によるヘマトコッカス培養プラントが九州に新設された。これにより、日本生物科学研究所による純国産・高品質・高濃度のアスタキサンチン原料製造が、本格的に開始された。本件は、アルガルバイオの「微細藻類バイオファウンダリープラットフォーム」発の共同開発プロジェクトが、初めて商用化に至った事例です。
アルガルバイオは2018年の創業以来、100種1,260株以上の微細藻類ライブラリーを活用し、株の選抜・育種から最適な培養方法の確立、商業スケールでの製造プラント立ち上げまで、初期研究から実装フェーズまでを一貫支援するサービスを提供してきた。
今回の共同開発は、「培養から抽出まで、すべて国内で完結するアスタキサンチン原料を実現したい」、という日本生物科学研究所からの依頼を受けてスタートした。アルガルバイオは、微細藻類の一種であるヘマトコッカスから最適株を選抜し、光条件、培地成分、培養環境など各要素を最適化することで、従来より高濃度のアスタキサンチンを実現する培養技術を確立した。開発当初は一般的な屋外培養を検討しましたが、気候や昼夜変化などの外的要因による品質のばらつきが課題となった。この課題を解決するために、日本生物科学研究所は、日本で初めて完全屋内閉鎖型パネルの培養設備を九州に新設した。この設備導入により、培養から抽出までの全工程を国内で一貫して行う、純国産・高濃度かつ安定供給可能なアスタキサンチン製造が、商業スケールで実現した。

過酷な環境にさらされると細胞色が緑から赤へと変化するヘマトコッカス
詳しくは、→https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000064440.html