研究情報

スイス・EPFL、上海大等研究G、CO2をアセトアルデヒドへ高効率変換する銅ベース触媒開発(2025.1)

 スイス・EPFL(the École Polytechnique Fédérale de Lausann)、コペンハーゲン大学、上海大学の研究チームは、CO2を製造業で使われる重要な化学物質であるアセトアルデヒドに効率的に変換できる銅触媒を開発した。この画期的な成果は、化石燃料ベースのプロセスに代わる環境に優しい代替手段となる。

 アセトアルデヒドは、香水からプラスチックまであらゆるものの製造に使われる重要な化学物質。現在、アセトアルデヒドの生産は主に石油化学製品のエチレンに依存している。しかし、環境への懸念が高まるにつれて、化学業界は化石燃料への依存を減らすよう迫られており、科学者たちはアセトアルデヒドをより環境に優しい方法で生産する方法を模索してきた。

 現在、アセトアルデヒドは、石油や天然ガスから得られるエチレンと、強酸(塩酸)などの他の化学物質を使用する化学合成法である、いわゆる「ワッカー法」によって生産されている。ワッカー法は、炭素排出量が大きいだけでなく、資源を大量に消費し、長期的には持続可能ではない。

 この問題に対する有望な解決策は、CO2を電気化学的に還元して有用な製品にすること。CO2 は地球温暖化の原因となる廃棄物であるため、このアプローチは、CO2排出量を削減し、貴重な化学物質を生成するという2 つの環境問題に同時に取り組む。

 銅ベースの触媒はこの変換の可能性を示しているが、これまでのところ、選択性が低いという問題があった。つまり、目的のアセトアルデヒドではなく、生成物の混合物が生成される。

 現在、EPFLのAndreas Züttel氏のグループのCedric David Koolen氏、コペンハーゲン大学のJack K. Pedersen氏、上海大学の Wen Luo氏が率いる官民コンソーシアムの科学者たちは、92%という驚異的な効率でCO2をアセトアルデヒドに選択的に変換できる新しい銅ベースの触媒を開発した。

詳しくは、→https://actu.epfl.ch/news/from-co2-to-acetaldehyde-towards-greener-industria/

2025-01-14 | Posted in 研究情報 |