研究情報
阪大、産総研等3者研究G、高速化学合成した糖によるバイオものづくり成功。食料競合しない原料糖調達を可能に(2024.2)
大阪大学、産業技術総合研究所、Green Earth Institute㈱の共同研究グループは、化学合成した非天然糖を用いたバイオものづくりに世界で初めて成功したと発表した。
農業で得られるトウモロコシなどのバイオマス糖を利用したバイオものづくりは、環境に優しい技術として注目されている。しかしこうした従来型のバイオマス糖は、燃料や化学製品の生産という膨大な需要に対してその供給量に限界があり、工業利用の拡大による食料との競合が起こる懸念があった。
今回研究グループは、上述した課題の解決に向け、化学合成した非天然糖を原料とした革新的バイオものづくり技術の開発に取り組んだ(図1)。その結果、モデル微生物としてコリネ型細菌を用い、合成した糖液を唯一の基質とした乳酸の発酵生産に成功した(図2)。これは、化学合成した糖を原料としてバイオものづくりが行われた世界で初めての例だ。この成果により、食料と競合しない持続可能な原料糖の調達が可能となり、バイオものづくり技術の一層の拡大が期待される。
詳しくは、→https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2024/20240208_1
2024-02-10 | Posted in 研究情報 |